この原稿は奈良ホテルの一室で書いている。かつて名女優オードリー・ヘップバーンが宿泊したという部屋を運良く確保でき、静かにPCに独り向かっている次第である。その直前に奈良を代表する人脈においてリーダーシップを担い続けてきた、この地における我がメンターにご面会させていただいた。豪放磊落そのものという我がメンターは開口一番、こうおっしゃった。「あぁ、もう15年近くになるね、貴方と最初に出会ったのは」
15年、20年という月日は確かに私たち人類にとって長い、長い時間である。しかしそれとて実は「ネズミの時間」なのかもしれない。神事の世界からのぞき見る時、この月日は「ゾウの時間」の尺度で測るべきであり、全くもって大したことのない長さのものなのかもしれない。いやもっといえば、そうした「ゾウの時間」で最初から決められていたのであって、そうしたいわば「お釈迦様の手の平の上」において、私たち全員がちょこまかと走り回るハツカネズミよろしく、もてあそばれていただけなのかもしれないのである。
いずれにせよ、2025年12月から我が国は「最終疾走」にその意味で突入した。そしてこの流れは新年2026年を突き抜け、ついには2027年にまで至ることとなる。今はただ、静かに「その時」を待つこととしたい。なぜならばそれこそが、ヒトができる唯一のことなのだから。
原田武夫 はらだ・たけお
元キャリア外交官。原田武夫国際戦略情報研究所代表(CEO)。情報リテラシー教育を多方面に展開。2015年よりG20を支える「B20」のメンバー。
いよいよ「最終疾走」が始まった我が国、そしてグローバル社会
時代を読む 第141回 原田武夫
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