「ニッポンが変わる時には必ず朝鮮半島との絡みで有事がある」—かつてとある賢人から聞いた言葉だ。実際、歴史を振り返るとそうであることに気づく。直近では例えば第2次世界大戦後に行われた朝鮮戦争がそうだ。ここで我が国は「特需」に沸き、その後の高度経済成長へと続く礎を築くことができたことは記憶に新しい。
それでは「これから」についてはどうなのだろうか? そう、思っている矢先に、私たち日本人の想像だに及ばないレベルのとある「企て」が今、大陸では始まっていると耳にした。とはいえ、舞台は「有事」と聞いてすぐに思いつく戦争や戦乱ではない。経済、そして金融マーケットにおける企てである。しかしこれが実現すると確実に東アジアから始まり、グローバル社会全体に甚大な影響が及ぶこととなる。
守秘義務が当然ある世界でのメッセージ伝達であるので、その仔細を詳らかにすることはできない。だがしかし、端的に申し上げるならば令和版「白村江(はくすきのうえ)の戦い」とでも言うべき展開であろうか。こうした角度からそのアウトラインをスケッチできればと思う。
私たち日本人の隣人である朝鮮民族は現在「分断」されている。そのうち、とりわけ北朝鮮については主体思想というユニークな統治イデオロギーによって律されていることから、非常に縁遠い存在のように見える。さらに我が国との間では「日本人拉致問題」が横たわっている。我が国の側から見れば国家の尊厳に関わる事項であり、それがゆえに日朝交渉は1994年以降、必ず難航し、その度に問題が積み重なってきたことは読者もご存じのとおりである。
令和版「白村江の戦い」が始まる
時代を読む 第126回 原田武夫
時代を読む 第126回 原田武夫
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