
右は1950年代のミリタリーモデルをベースとする2カウンタータイプの「TYPE 20 2057」。左は同じく50年代の民間モデルを着想源とする「TYPE XX 2067」。往年の表記に準じ、ミリタリーモデルにはアラビア数字の「20」、民間モデルにはローマ数字の「XX」が冠されている。ともにコラムホイール、垂直クラッチを採用し、60時間のパワーリザーブを持つ10振動/秒の新型フライバッククロノグラフキャリバー728を搭載。自動巻き、ケース径42mm、SSケース×カーフストラップ(付け替え用NATOストラップ付属)、10気圧防水、各2,585,000円。
スウォッチ グループがバーゼルワールドからの離脱を表明したのは2018年7月のことだった。その後、有力ブランドが相次いでバーゼル離脱を宣言し、それがこのエキシビションの消滅を招来したことは、ご承知の方も多いだろう。
スウォッチ グループは、ハイエンドブランドに特化した発表会「TIME TO MOVE」を19年に開催し、20年にもチューリッヒでの開催を予定していたが、パンデミックの影響で中止を余儀なくされる。
以降、同グループは合同で新作発表会を行っておらず、各ブランドが独自に、適切なタイミングで新作を発表する形を採っている。デジタルコミュニケーションの進化により、以前のような発表会は必要なくなったという指摘もあるが、さてスウォッチ グループによる何らかのアクションはあるのか⁉
合同での発表会はなくとも、同グループから魅力的なモデルが次々と届いている。まずブレゲ。18年にカタログから姿を消していたメゾンを代表するパイロットウォッチ「タイプxx」が“復活”。一つは1950年代の軍用モデルを範とする2カウンターモデル、もう一つが57年製の民間用モデルをベースとした3カウンターモデル。シンプルでマスキュリンな前者か、ノーブルさと精悍さを融合させた後者か、悩ましくもうれしいカムバックとなった。