アワーグラスが注力するアクリヴィア
5月31日、パレスホテル東京で、アワーグラス 銀座店が取り扱いを開始するブランド、アクリヴィアの発表会が開催された。
アワーグラスは、シンガポールに本社を置くアジア最大級のハイエンドウォッチのディストリビューター/リテーラーで、アワーグラス ジャパンの店舗は銀座並木通りにある。パテック フィリップを始めとする厳選されたブランドと、特別なクオリティーを備えたモデルを取り扱い、コレクターからの評価も高い。
そのアワーグラスが注力するアクリヴィアとは?
弱冠25歳で創業したレジェップ・レジェピ氏
創業者のレジェップ・レジェピ氏は1987年生まれの35歳。セルビアからの独立運動に揺れたコソボの出身。武力衝突が激化した98年にジュネーブへ移住後、わずか15歳でパテック フィリップの実習生となり、F.P.ジュルヌなどでキャリアを重ね、2012年弱冠25歳で自身のブランド、アクリヴィアを設立。
ジュネーブ旧市街にアトリエを構え、トゥールビヨンを搭載したモノプッシャー・クロノグラフ、ジャンピングアワーとチャイム機構とを組み合わせたモデルなどを相次いで発表。シンメトリーにこだわったムーブメント設計や、クラシックな技法を用いた面取りや装飾仕上げも、審美眼の高いコレクターの間で評判となる。
ブレークスルーは18年。それまでの複雑機構とは一転、シンプルさを極めた「レジェップ・レジェピ クロノメトル・コンテンポランⅠ」が、権威あるジュネーブウォッチグランプリ(GPHG)のメンズウォッチ部門グランプリに輝いた。
辛抱強く、一層真摯に時計製作に向き合い続けた
この日の発表会で、レジェピ氏はフレンドリーな笑顔の一方、時にシリアスに自身のキャリアを語った。
「12年に独立し、自分だけの時計製作に邁進すれば認められると信じていましたが、容易ではなかった。そこには多くの『取引』が存在した。修理修復や他ブランドのメンテナンスにも手を染めながら、辛抱強く、一層真摯に時計製作に向き合いました。本当に長い道程でした」
決して順風満帆ではなかった経験が、現在の作風につながったのだ。「Ⅰ」の意匠を受け継ぎ、全面的に進化した「レジェップ・レジェピ クロノメトル・コンテンポランⅡ」にも目利きたちの視線が熱い。