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追悼・坂本龍一

2023年3月28日に坂本龍一さんが亡くなったという知らせが届いた。音楽、映画、執筆、社会活動……さまざまな分野で類まれなる才能を発揮してきた。YMO結成当時から坂本さんの身近にいた雑誌編集者・根本恒夫さんが、彼の記憶をたどる。

Photo Masahito Goda  Text Tsuneo Nemoto

2023年3月28日に坂本龍一さんが亡くなったという知らせが届いた。音楽、映画、執筆、社会活動……さまざまな分野で類まれなる才能を発揮してきた。YMO結成当時から坂本さんの身近にいた雑誌編集者・根本恒夫さんが、彼の記憶をたどる。

坂本龍一さん逝去のニュースは国内外の各社新聞で大きく報じられた
坂本龍一さん逝去のニュースは国内外の各社新聞で大きく報じられた。

悪戯のバックボーン

坂本龍一と内田春菊が、ひそかに新宿のヒルトンホテルに消えてゆく。そんなスクープ写真を月刊誌『写楽』廃刊号(1986年2月号)に載せたことがある。実はこれ、当時話題沸騰の『FOCUS』『FRIDAY』のパロディー企画で、きれいにピントを合わせて撮ればいかがわしさを感じられないが、それをボケブレの盗み撮り写真にすると、そこにいかがわしさが生まれリアリティーが増す。情報量の多い明確な写真より、情報量が少ない不明瞭な写真の方が信用度が増すという実験企画なのだった。

坂本のインタビューが決まった後、急きょ企画を思いついて内田にお願いするとOKが出て、それを坂本に返すとこちらも即OKだった。坂本はこういう悪戯(いたずら)が大好きなのだ。他に同企画に乗ってくれたのは、浅田彰と松本小雪、三浦和義の妻良枝と和義そっくりの野々村文宏(新人類)だった。

小学館の月刊誌『写楽』最終号(1986年2月号)で企画された「The SCOOP!」。『FOCUS』や『FRIDAY』のパロディー企画に、内田春菊さんと坂本龍一さんが快諾し、実現
小学館の月刊誌『写楽』最終号(1986年2月号)で企画された「The SCOOP!」。当時話題となっていた『FOCUS』や『FRIDAY』のパロディー企画に、内田春菊と坂本龍一が快諾し、実現した。

撮影後、良枝の店で撮った写真が残っている。そこにいたのは、坂本龍一、野々村文宏(現・和光大学准教授)、霜田恵美子(イラストレーター)、見城徹(月刊カドカワ編集長→現・幻冬舎社長)、川村容子(流行通信編集長→文藝春秋)、故・宮田茂樹(元MIDIレコード社長)、古沢由美子(月刊カドカワ)、鈴木布美子(フリー編集者)、それに不精・私、カメラマンの三浦憲治だった。

携帯など誰も持っていない37年前、皆忙しいのに、夜になるとどこからともなく集まって来る。そこでは哲学や文学や音楽、芸術などのダサい話をする者は一人もいなかった。いつもたわいもない話に終始し、ただ一緒にいるのが楽しかった。

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。