日本ではスポーティでダイナミックなイメージだが、ドイツではいち早くほとんどの製品に「エフィシエント・ ダイナミクス」と呼ばれる環境対策を施し、半年以上も前から市販を開始している。そして一部の大型車を例外 として今後発売されるニューモデルのCO 排出量をすべて140g/km以下に抑えるとの声明を発表した。その内容 を次ページに記す。
エフィシエント・ダイナミクスの中身
(1)ブレーキ・エネルギー回生
……すでに日本メーカーは市販のハイブリッド搭載車で採用しているが、BMWでは「マイクロ・ ハイブリッド」として一般車種に導入。ブレーキング時に得られるエネルギーをバッテリーに貯蔵し、加速時はジェネレータ ーの発電を止め、負荷を減らし燃費を向上させる。
(2)アイドル・ストップ
……これも日本ではおなじみ。信号など停止時にエンジンをストップさせ、発進時にクラッチを踏むとエンジンが自動的にスタートする。市街地で効果大。
(3)低ミューのエコタイアの装備
(4)空力特性の改良(ラジエター・シャッターの導入など)
……空気抵抗を減らし燃費を向上するだけでなく、ラジエターへの空気流入量の調整はエネルギー効率の向上にも役立つ。
(5)シフトインジケーターの採用
……マニアル・トランスミッション搭載モデルで、燃費に適したシフト・アップ、ダウンのタイミングをドライバーに知らせる。
右肩上がりの開発費、結実が待ち遠しい
(6)ガソリン・エンジンの直噴化
……ガソリン・エンジンにおける燃焼効率の向上とポンピングロスを低減させるために、従来のスプレイガイド方式をやめ、シリンダー内に直接噴射するシステム。しかしこの方式は窒素酸化物が増加するため、バルブ・リフト量を無段階に変化させてポンピングロスを低下するシステム「バルブトロニック」も用意する。
(7)ダウンサイジン グ
……ターボを採用し小排気量で高出力を発生、たとえば123dの2リッター4気筒ディーゼルは204馬力、400Nmを発生する。し かもCO発生量はわずか128g/km。
——前述のように大事なのは、BMWはこうした環境装備をニュー・ミニからX6まで標準装備し ていることだ。たとえば主力モデルの320i(ガソリン仕様)のCO発生量は146g/kmで、メルセデスC200kの188g/kmと比べても 非常に少ない。が、開発費の高騰は企業に利益率の低下をもたらしており、また主力の上級クラスではまだ大きな効果は生まれていない。
※『Nile’s NILE』に掲載した記事をWEB用に編集し再掲載しています