マセラティ オーナーズ クラブ メンバーの集い

Photo Yuu Nakaniwa Text Daichi Nakamigawa

15回目を迎えた「MASERATI DAY」に迫る

グランドエクシブ浜名湖およびボートクラブカナルで行われた今年で15回目を迎えた「MASERATI DAY」。総勢100名、50台のまばゆいマセラティが集まった。
グランドエクシブ浜名湖およびボートクラブカナルで行われた今年で15回目を迎えた「MASERATI DAY」。総勢100名、50台のまばゆいマセラティが集まった。

ドイツ製の高級サルーンとは、出で立ちからしてまるで違う。かといってフェラーリのようなスーパースポーツ系でもない。1919年、アルフィエーリ・マセラティ氏と彼の兄弟たちが興したイタリアの自動車メーカー「マセラティ」は、まるで己の信念を貫き通したような、きわめて個性的なサルーンやスポーツカーを世に送り出し続けてきた。日本には、マセラティを楽しむ人達が集うオーナーズクラブ「MASERATI CLUB OF JAPAN」がある。1989年、現会長である越湖信一氏が興した。

「イタリア出張のとき、マセラティに出会ったと同時に、ヨーロッパ流の自動車クラブ文化にも魅せられました。単にマニア層が集まる集会ではなくて、家族全員がクルマを通して余暇を楽しんでいる。そういうクラブを日本でも作りたかった」

と、越湖氏は言う。彼はマセラティ本社の公認を受け、日本のインポーターとの協力体制を確立してクラブを発足させた。それがいまや会員150人を超える一大コミュニティへと成長した。2008年11月29日、30日、彼らの最大級のイベントにして今年で15回目を迎えた「MASERATI DAY」が開催された。このイベントを通して、彼らの世界を覗いてみたい。

マセラティを通してイタリア文化を楽しむ

新旧様々なモデルが一同に会すこの日、参加者は全国各地から集まる。堺正章氏の200SIを始め、ボーラ、A6ピニンファリーナ、222SE、スパイダー・ザガート、シャマルなど希少車ばかり。もちろんクーペ&スパイダーや、クワトロポルテ、グランツーリスモといった、いわゆるモダン・マセラティもたくさん集まった。
新旧様々なモデルが一同に会すこの日、参加者は全国各地から集まる。堺正章氏の200SIを始め、ボーラ、A6ピニンファリーナ、222SE、スパイダー・ザガート、シャマルなど希少車ばかり。もちろんクーペ&スパイダーや、クワトロポルテ、グランツーリスモといった、いわゆるモダン・マセラティもたくさん集まった。

会場は、浜名湖の湖岸に位置し、美しい運河と洋風建築がマセラティの優美な雰囲気にマッチするグランドエクシブである。ホテルに隣接するボートクラブカナルの駐車場には、この日、約100名のマセラティ・フリークと、50台超えるマセラティが集結した。最新のモデルから往年のヒストリックカーまで、マセラティの歩んだ歴史はこの場所で一目瞭然である。往年のヒストリックカーを愛でる人がいれば、最新モデルを乗り継いできた人、ドレスアップ&チューニングを追求する人、最近ようやくマセラティを買ったばかりという人もいる。

「マセラティを通して、イタリア文化全体を楽しむ。もちろん、家族や友人みんな一緒に。これが我々のコンセプトです」と、越湖氏は言う。

希少性の高いモデルが多いため、オーナー同士の情報交換の場として有効なのは間違いない。だが、このイベントは情報交換は当然のこととして、家族全体で楽しめる和やかな雰囲気に包まれていた。欧州では、一台のヒストリックカーを何世代も受け継ぐ家族が珍しくないという。日本でもこういう成熟した自動車文化が望まれるが、このクラブはきわめてそれに近い世界をつくり出していた。

ワインを楽しみながらクルマ談義を楽しむ

最新モデルのマセラティ・グランツーリスモSは、現インポーターであるコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドの協力により展示された。そのほか、イタリアのホイールメーカー「OZ」の新作ホイールや、マセラティのグリルを摸したルームランプなど、ユニークなアイテムがたくさん集まり、会場に花を添えた。
最新モデルのマセラティ・グランツーリスモSは、現インポーターであるコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドの協力により展示された。そのほか、イタリアのホイールメーカー「OZ」の新作ホイールや、マセラティのグリルを摸したルームランプなど、ユニークなアイテムがたくさん集まり、会場に花を添えた。

日をまたぐこのイベント、初日の夜はウエルカム・パーティが開催された。美味しいワインとチーズを楽しみながら、マセラティ談義に花を咲かせたり、会長自らが作成したビデオを見たり、またマセラティグッズの展示、販売もおこなわれた。会場であるボートクラブカナルの湖畔には、最新のマセラティ・グランツーリスモSと、1957年式ながら今も美しいオリジナルボディを保つ200SIが展示された。

200SIのオーナーは、TVや映画などでおなじみタレントとしてご活躍される堺正章氏だ。彼は20年前にミッレミレアというヒストリックカーレースを体感し、その後マセラティと自動車文化の奥深さに魅せられたひとりである。現在は数多くのイベントに参加するが、とりわけマセラティには思い入れがある。自動車趣味で重要なことは仲間達と交流を図れることだという。そういう意味では、このクラブはまさにうってつけだった。この日はまるでタレントという職業を忘れたかのように盛り上がっていた。

ちなみに仲間内とはいえ、パーティである以上ドレスコードはきっちりと守られている。こういうところにヨーロッパ文化を味わい尽くすクラブの奥深さを見たような気がした。

浜名湖にマセラティの咆哮がこだました

イベントの会場となったのは、浜名湖湖畔にあるグランド・エクシブおよびボートクラブカナル。2日目は浜名湖周辺を走るツーリングが開催された。晴天に恵まれたこの日、すべてのクルマが活き活きと走り切った。また、オーナーばかりではなく、家族ぐるみで付き合いのできる親しみやすさ満点のイベントだった。
イベントの会場となったのは、浜名湖湖畔にあるグランド・エクシブおよびボートクラブカナル。2日目は浜名湖周辺を走るツーリングが開催された。晴天に恵まれたこの日、すべてのクルマが活き活きと走り切った。また、オーナーばかりではなく、家族ぐるみで付き合いのできる親しみやすさ満点のイベントだった。

美しさだけでなく、もてなしの心で満たされたグランドエクシブで一夜を過ごしたその翌日、浜名湖湖畔を駆け抜けるツーリングで幕を開けた。先頭は堺正章氏の200SI。その後、年代順に総勢50台が続く。やはりクルマは走ってこそ、美しくたくましく見える。晴天に恵まれた浜名湖で、マセラティが発する咆哮が、耳に心地良かった。ツーリングから戻ると、今度は貴重なマセラティ関連グッズが続々と登場したチャリティー・オークションが開催された。

これは例年、交通遺児のための寄付金として使われる社会的意義のある活動である。そして昼食を取り、あっという間だったという2日間のイベントも終わりを迎える。「また次回!」と言って帰路につく人達が活き活きとして見えた。このクラブは年に一回の「MASERATI DAY」のほか、年に数度のツーリング、またはサーキットイベントなどを催している。もし、このクラブに興味を持った方に対して最後にお伝えしたい。応募要項は「マセラティにコダワリのある人」だという。決してオーナーでなくともマセラティに対して熱い気持ちがあればいいのだ。詳細はクラブのHP(http://www.maseraticlub.jp)に記載されているので、ぜひチェックしてほしい。

Festa di Natale(クリスマスパーティ)

写真は、クリスマスの白とブルーのイルミネーションで彩られた六本木ヒルズけやき坂下にある「コーンズ六本木ショールーム」にて。
写真は、クリスマスの白とブルーのイルミネーションで彩られた六本木ヒルズけやき坂下にある「コーンズ六本木ショールーム」にて。

“MASERATI CLUB OF JAPAN”では、11月末に行われたMASERATI DAYの他、MASERATI FESTIVAL、ツーリングなどの様々なイベントが定期的に行われている。2008年12月14日には、Festa di Natale(クリスマスパーティ)が開催された。「コーンズ六本木ショールーム」でMaseratiに囲まれて、アペリティーヴォ、その後、タレント、パンツェッタ・ジローラモさん夫人の貴久子さんがオーナーを務めるイタリア料理店「COCCINELLA(コチネッラ)」でMASERATIの本拠地であるイタリア モデナ地区の伝統料理を楽しむというもの。「コーンズ六本木ショールーム」にて、会長の越湖氏からNOVELLO(イタリアワイン新種)が振舞われ、メンバーは、そのワインを片手にMaserati談義に花を咲かせる。越湖氏の人柄もあり、家族のように仲がよく、アットホームな交流がされていた。来る27日にも神宮前のイタリアワインバーにてこちらもマニアックなEnd of Year meetingが開催される。年末のマセラティスタ達は“濃い”フレンドシップを確認し合うこととなる!?

ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。