いま一度、レクサスを振り返る
1989年にアメリカで始まったこの高級車ブランドは、2005年からは正式に日本でのブランド展開され、いまや世界65カ国で走り始めている。トヨタの高級車ブランド「LEXUS(レクサス)」である。現在、レクサスの日本でのラインナップは、バラエティに富んだ車種が揃う。当初はアリストの後を継いだGS430/350のほか、アルテッツァの後継としてIS350/250、ソアラの後継としてSC430が誕生した。すべてのモデルは従来のトヨタ車を超越した評価基準のもとに、上質かつ機能的なプレミアムカーとして生まれ変わった。
また、47都道府県すべてに専用ディーラーを置いて顧客フォロー体制を確立させたほか、24時間365日のロードサービスをはじめ目的地、宿泊地に関する問い合わせや手配、カーナビへの登録を可能とするコンシェルジュ・サービス、携帯電話を使って燃料残量や盗難防止、追跡システムをおこなう「G-Link」など、目新しいサービスが数多く用意されている。
個性が花開く、車種展開
その後、2006年のデトロイトショーで華々しいデビューを飾ったのが、セルシオを受け継いだLS460だ。威風堂々としつつ和の美しさを感じる佇まいは、世界の高級サルーン市場の代表的な一台となった。のちにロングホイールベースモデル(LS460L)やハイブリッドを搭載したLS600h/LS600hLが追加された。ハイブリッドと言えば、GSに加わったGS450hも見逃せない。もともとプリウスで育ったトヨタのハイブリッドシステムは、プレミアム・ブランドのレクサスで一気に花開いたように思える。プレミアム・サルーンでありながら環境対応性能に優れ、かつモーター併用によって静粛性が増すなど、ハイブリッド化のメリットは計り知れない。個性的なアプローチを紐解くと、ISに5.0・V型8気筒を搭載したモンスター・サルーンのIS Fがある。最高出力423ps/6600rpm、最大トルク51.5kg-m/5200rpmと、国産車の常識を超越するポテンシャルに魅了されるモデルだ。
ISシリーズがマイナーチェンジ
ところで、レクサスに貫かれたデザイン哲学を「L-Finesse(エル・フィネス)」という。「Leading-Edge(最先端)」と「Finesse(洗練された深み)」を組み合わせた造語である。この言葉を具現すべく2008年9月3日、レクサスのボトムレンジを担うスポーティ・サルーン、ISシリーズのマイナーチェンジがおこなわれた。よりすっきりとした美しさを持つ外観に変わり、新色ブロンドマイカメタリック、セーブルマイカメタリックが追加された。インテリアも若干の修正、仕様変更を受け、一層高級感に磨きがかかった。IS Fに関しては、センタークラスターを意匠変更するとともに、ドアグリップ&センタークラスター加飾部がブラックメタリックに変わった。また、車両運動統合制御VDIMをIS250にも設定を拡大するなど、予防安全性と車両運動性能を抜かりなく全グレードに行き渡らせた。レクサスが掲げるエル・フィネスの思想は、このように日進月歩を続けているのである。
2009年、いよいよRXが日本上陸
2009年、レクサスの快進撃は続く。日本ではこれまでハリアーとして販売されてきたプレミアムSUV「RX」が、3代目に移行したのを機にいよいよ日本デビューを果たす。すでに2008年12月5日から「レクサスインターナショナルギャラリー青山」を始め、複数のレクサス直営店で北米仕様が展示されていた。RXシリーズは、SUVらしい力強さのなかに、エル・フィネス思想に基づく気品と美しさを持つ。まるでクーペのような傾斜したルーフが特徴的だ。今年1月にRX350が登場し、今春にはハイブリッドを搭載したRX450hが追加される予定である。なお、2010年までは2代目RX(ハリアー)もトヨタ・ブランドとして併売されることになるが、3代目はレクサス・ブランド1本となる。日本ばかりか世界的にもプレミアムSUVがすっかり市民権を得たいま、レクサスの今後の発展には、RXシリーズが重要な役割を担うに違いない。今後の動向に、要注目である。