より現代の女性に寄り添うよう進化
「料理や育児や掃除以外に、人生にはもっと大切なことがある。私は食器を洗って一生を送りたくはない」
“鉄の女”の異名を取った英国初の女性首相マーガレット・サッチャーは、自身のその言葉通りの人生を全うした。女性の社会進出に対する意識が、彼女の時代からさらに進化を遂げた現在、この言葉をこう言い換えることができるかもしれない。
「家事も育児も仕事も余暇も、女性の人生の大切な要素。だから全ての時間を謳歌したい」
21世紀の幕が開く前夜、1999年にパテック フィリップが発表したタイムピース「Twenty~4®」は、まさにそんな女性の時代を先取りしたものだった。
ふくらみを帯びたレクタングラーケースに、しなやかに手首にフィットするブレスレットを組み合わせた“マンシェット”タイプと呼ばれるスタイルを持ち、クオーツムーブメントを搭載。ステンレススチールにダイヤモンドという、かつてない組み合わせ。自立した活動的な女性の声に真摯に耳を傾けた結果から生まれたこのモデルは、ビジネスシーンから余暇、フォーマルまで、女性の24時間をカバーするものとして、センセーションを巻き起こした。
実はパテック フィリップは、1839年の創業当時から、女性のための傑作ウォッチを数々世に送り出してきた。
51年にヴィクトリア女王が購入した青七宝のペンダントウオッチ、68年にハンガリーの伯爵夫人のために制作されたスイス初の腕時計、1916年に制作された婦人用5分リピーター……。2009年には、自社開発・製造の手巻きクロノグラフキャリバーを搭載した「レディス・ファースト・クロノグラフ」を、男性用に先駆けて発表している。パテック フィリップの歴史をひもとけば、同社がいかに女性に敬意を払ってきたかがうかがえる。1999年の「Twenty~4®」の発表も、まさにこの流れに位置付けられるものだ。
その後、「Twenty~4®」は多くの女性より高い支持を受けながら進化を続け、2018年に大きなエポックを迎える。ラウンドケースに機械式ムーブメントを搭載した「Twenty~4 オートマチック」を登場させたのである。
プレステージ性の高い自立した女性の満足感や、さらなるチャレンジへのインスピレーションを与えるものとして注目を集める存在となった。
そして今秋、1999年当時の“マンシェット”タイプを再解釈した新たな「Twenty~4」が登場。
ステンレススチール仕様で、クオーツムーブメントを搭載。従来のローマ数字のⅫとⅥはホワイトゴールドのアラビア数字の12と6に、およびポイントダイヤモンドのインデックスはトラペーズ(台形型)インデックスに一新された。ブルー・ソレイユとグレー・ソレイユの2タイプの文字盤が用意されている。
自然体で伸びやかに人生を楽しみ、自身の可能性を切り開いていく。そんな現代の女性が刻む時間が、新たな輝きをまとうことになりそうだ。
●パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター
TEL 03-3255-8109
※『Nile’s NILE』2020年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています