驚きと感動に満ちた芸術品

1842年にサンクトペテルブルクで創業したファベルジェは、当時のロシア皇帝を始めとする王侯貴族御用達の宝飾品・調度品ブランド。創業時からの卓越した技術とセンスを受け継ぎながら、常に新鮮なものづくりを続けるこのブランドが、今また新たな分野で前人未到の記録を打ち立てようとしている。

Photo TONY TANIUCHI Text Ichiko Minatoya

1842年にサンクトペテルブルクで創業したファベルジェは、当時のロシア皇帝を始めとする王侯貴族御用達の宝飾品・調度品ブランド。創業時からの卓越した技術とセンスを受け継ぎながら、常に新鮮なものづくりを続けるこのブランドが、今また新たな分野で前人未到の記録を打ち立てようとしている。

ファベルジェのマネージングディレクターを務めるアントニー・リンゼイ氏
ファベルジェのマネージングディレクターを務めるアントニー・リンゼイ氏。これまで受け継いできた歴史と伝統を未来へ紡ぐため、積極的に新たな挑戦に取り組み、時を超えて何世代にも愛される作品の創出を目指している。

マネージングディレクターのアントニー・リンゼイ氏はこう語る。

「象徴的な作品は、2代目のピーター・カール・ファベルジェが当時のロシア皇帝のために制作したインペリアル・イースター・エッグでしょう。彼はファベルジェのイースター・エッグがお気に入りで他国の王室にも贈っています。当時の作品はサザビーズなどの一流オークションに時折出品され、何十億円という高価格で落札されています」

時を超えて愛されるファベルジェの作品。彼らには、何世代にも受け継がれる宝となるものだけを創造するという伝統があるのだ。

ヴィジョネアー DTZ
二つのタイムゾーンを分かりやすく視認できるユニークなGMT。リモートタイムが中央の数字で表示されるので、あとはローカルタイムの時分を合わせるだけ。リモートタイムの数字の周りの円形リングがローターの役割を果たす。「ヴィジョネアー DTZ」自動巻き、ケース径43mm、RG+チタンケース×アリゲーターストラップ、3,380,612円。
ルビーペンダント
ロシア・ロマノフ王朝宮廷を彷彿とさせる宝石のきらめきが美しいインペリアル・コレクション。揺れ動くダイヤモンドとルビーの輝きが、ファベルジェを象徴するインペリアル・エッグのように壮麗な印象を与える。「ルビーペンダント」WG×ダイヤモンド(5.26ct)×ルビー(43.79ct)、7,296,560円。

「それと同時に、常に新しいことに戦します。お客様を驚かせるものを生み出すことも大切にしているのです。近年は腕時計というジャンルへの挑戦に力を入れています」

一流時計ブランドの最高級品だけを手掛ける職人のジャン・マルク・ヴィダレッシュの技術力により、ファベルジェの斬新な発想とデザインが、時計業界を瞠どう目もくさせる作品になった。ジュネーブグランプリでは2015年と16年にそれぞれカテゴリー別のグランプリを受賞。17年もノミネートされており、受賞すればジュネーブグランプリ初の3年連続受賞ブランドになる。

「ファベルジェは時を超えて新しく感じられるという、難しいものづくりを続けてきた。現代のお客様はもちろん、それを受け継ぐ未来のお客様をも魅了する作品づくりを、これからも極めていきたいと思います」

●EQ&Co.
TEL +81 (0)42 377 0029

※『Nile’s NILE』2017年12月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
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