英国の伝統と スイスの先進技術の邂逅

英国にルーツを持つ現代スイス時計ブランド、アーノルド & サンの新作は、鮮やかなブルーのオフセンターダイヤルが印象的なモデル。

Photo Danny Danks(digni) Text Yasushi Matsuami

英国にルーツを持つ現代スイス時計ブランド、アーノルド & サンの新作は、鮮やかなブルーのオフセンターダイヤルが印象的なモデル。

インストゥルメントコレクション―DSTB(ホワイトゴールドケース)
インストゥルメントコレクション―DSTB(ホワイトゴールドケース)自動巻き、ケース径43.5mm、WGケース╳アリゲーターストラップ、5,853,600円、世界125本限定

航海術の進歩を背景に、大英帝国が大いに発展を遂げた18世紀、英国を代表する時計師として活躍したジョン・アーノルド。彼は息子と共同して高精度の航海用マリンクロノメーターの開発に大きな功績を残したほか、時の英国王ジョージ3世の目に留まり、王侯貴族のために贅を尽くしたモデルの製作も数多く行っている。

そのDNAを受け継ぎ、スイスのハイエンド・ムーブメント・サプライヤーであるラ・ジュー・ペレ社が復活させたブランドが、アーノルド&サンである。1モデルに対し、独創的な1ムーブメントを搭載するというスタンスを守っていることも特筆に値する。自社での開発・製造技術の裏付けなくして不可能なことだ。

新作の「インストゥルメントコレクション―DSTB ホワイトゴールドケース」は、鮮やかなブルーのオフセンターダイヤルが印象的なモデル。11時位置に大きく配した秒針は、機械式でありながら、1秒ごとにステップ運針する。トゥルービートセコンドと呼ばれる、複雑機構がベースになっており、メカニズムを文字盤上で鑑賞できるのも興味深い。

アーノルドのマリンクロノメーター開発への功績をたたえ、トゥルービートセコンドレバーはアンカー状のデザイン。また、往年の英国時計のスタイルを踏まえ、三角形のブリッジや、3本のスポークを持った歯車が採用されている。よき時代の英国時計のエッセンスと、現代の技術との絶妙のハーモニーを味わいたい。

●アーノルド & サン TEL 03-5408-1390

※『Nile’s NILE』2016年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

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