The Blue Train in South Africa Cape Town to Pretoria 1

南アフリカの行政府が置かれ、春にはジャカランダの花が咲き乱れる街プレトリアと、大陸南端の街ケープタウンを結ぶ濃紺の車両。青く霞んだ山の端に豪快に沈む太陽を車窓に映し、ブドウ畑が広がる渓谷地帯や乾いて過酷な砂漠地帯を駆け抜ける。南アフリカが誇る豪華列車ブルートレインの旅が始まる。

Photo Chiyoshi Sugawara  Text Chiyoshi Sugawara

南アフリカの行政府が置かれ、春にはジャカランダの花が咲き乱れる街プレトリアと、大陸南端の街ケープタウンを結ぶ濃紺の車両。青く霞んだ山の端に豪快に沈む太陽を車窓に映し、ブドウ畑が広がる渓谷地帯や乾いて過酷な砂漠地帯を駆け抜ける。南アフリカが誇る豪華列車ブルートレインの旅が始まる。

ブルートレイン、ダイニング
夕食のセットがされたダイニングテーブル。食事は2部制で、空いている席は自由に選べるが食事時間はあらかじめ指定される。

程よく冷えたシャンパンが、のどを直撃して一気にくつろぎをもたらしてくれる。食事や飲み物は全て料金に含まれているとはいえ、バーテンダーは目が合うと「シャンパンいかがですか?」と口癖のように尋ねてくる。

気がつくとケープタウンの街ははるかに後方に去り、左手に見えていた午後の陽は右手に変わり、再び左手へ。列車はいつの間にかケープタウンの北に屹立する峡谷地帯に広がるブドウ畑、ワインランドの中を大きく蛇行しながら進んでいたのだ。険しい山肌は間近に迫ったかと思うと遠ざかる、この旅の車窓風景のハイライトの一つを、シャンパンの誘惑に負けて見過ごしてしまうという失敗を犯してしまった。

  • ブルートレイン、バーテンダー
    この乗務の後、少し休暇がとれるとうれしそうな二人のバーテンダー。
  • ブルートレインの客
    この後は3週間のドライブ旅行だというドイツからの親娘四人。
  • ブルートレイン、野菜と舌平目にレモンバターソースのランチ
    キンバリー到着を前に、野菜と舌平目にレモンバターソースのランチ。
  • ブルートレインのスタッフ
    ランチタイム。オーダーした料理をにこやかにサーブしてくれる。
  • ブルートレイン、ラウンジのスタッフ
    乗客の途切れた時間にカウンターの準備をするラウンジのスタッフ。
  • ブルートレイン、冷えたシャンペン
    バーカウンターのバケットには常に冷えたシャンペンのボトルが。
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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。