限定蒔絵ダイアル・ウォッチ・シリーズ
世界動物デーを記念して、ファベルジェがタイムピース・コレクション「アルトゥルーイスト」に、新しい限定シリーズを発表。18金の時計に日本の伝統工芸技術、加賀蒔絵の装飾が施された、メゾン・ファベルジェ初の試みです。
本コレクションは、虎、獅子、鷹の蒔絵があしらわれた三種の時計で構成され、文字盤を飾る猛々しいモチーフはすべて、蒔絵師の辻美月貴(つじ・みつき)氏によるもの。一点につき2~3か月を要し、微に入り細を穿った職人の手仕事が注ぎ込まれた逸品となっています。
緻密に構築された伝統的モチーフを配した文字盤から、遊び心に満ちた独特な形状のリューズに至るまで、隙のないデザイン。構造にも揺るぎない現代性を宿す、エレガントな三針ケースサイズ41㎜のタイムピースです。
日本の誇る伝統工芸技術、蒔絵を採用
金属粉を蒔いて絵にする「蒔絵」は、日本に古くから伝わる装飾技法です。漆で下絵を写し取り、その漆が乾かぬうちに上から金粉や銀粉を重ねて定着することで、モチーフを華やかに描き出します。
漆でデザイン画をなぞり、銀粉・金粉を蒔く。モチーフに漆を塗り、起伏を付け、さらに銀粉を蒔く。隆起させた部分を砥石で研ぎ、漆で螺鈿をはめ込んでいく…。細かく、気の遠くなるような作業を繰り返し、緻密な模様を作り上げていくのです。近年では、こうした技術を専門とする蒔絵職人の数が減り、蒔絵作品とともに大変貴重な存在となっています。
また、漆は、ウルシ科ウルシ属の落葉高木から採取する樹液で、天然の樹脂塗料・接着剤です。そのため、エコロジカルな観点からも申し分なく、1万3千年前から使われてきました。長い歴史のなかで発展を続け、8世紀建立の正倉院の宝物に既にその使用が確認されています。
気鋭の女性蒔絵師とのコラボレーションにより実現
創業当初から、有望な若き女性クリエーターを躊躇なく登用し、その開花する才能と共に発展してきた、ファベルジェ。アルトゥルーイスト・コレクション/限定蒔絵ダイアル・ウォッチ・シリーズも、気鋭の女性蒔絵師、辻美月貴氏のコラボレーションにより実現しました。
福井県福井市の「東雲斎」工房に籍を置く26歳の辻氏は、職人である父への憧憬の念から、高校卒業後に自らも同じ道を志すことを決意し、蒔絵の大家である田村一舟師のもとで学び始めました。漆芸家として国際的にも高名な田村氏は、伝統的な加賀蒔絵を、独自の細密技法へと発展させた革新者でもあります。当コレクションの文字盤から、師から託された知恵と知識、技法に加え、彼女自身の天賦の才のきらめきが感じられることでしょう。
●EQ&Co. TEL: 042-377-0029 www.faberge.com