本土最南端の鹿児島県佐多岬から、南南西に約60km。太平洋上に浮かぶ屋久島は、東京23区ほどの面積に1000m級の山を40座以上擁し、その姿から洋上アルプスとも呼ばれている。海岸部から山岳部までの標高差が大きく、亜熱帯から冷温帯までの気候を有すること、多雨多湿な気候であることなどから、4000種類近くの動植物が生息。学術的にも注目を集めている“生命(いのち)の島”だ。
そんな屋久島の南東部、海を望む高台に「サンカラホテル」は立つ。サンカラとはサンスクリット語で「天からの恵み」という意味。奇跡ともいえる環境を最大限に生かしたロケーションで、自然と共生し、その魅力を感じられる極上のホスピタリティーを追求している。
同ホテルは、屋久島との共生を目指して“For the YAKUSHIMA”を宣言。食材を地産地消することは、その取り組みの一環だ。鹿児島県を始めとする九州各地から旬の食材を調達し、館内二つのフレンチレストランで提供している。一つは、九州の地方料理を取り入れたシンプルでカジュアルなプリフィックス・スタイルの「アヤナ」。プールに面した開放的な店内は、リゾートらしい雰囲気だ。もう一つ、オープンキッチンを囲むカウンタースタイルの「オーカス」では、シェフが屋久島から得たインスピレーションを元に、フレンチの枠にとらわれない繊細な“屋久島キュイジーヌ”を振る舞う。他にも、エコ活動やイベント、自然保護のための基金など、屋久島の保全・発展に貢献している。
“生命の島”であることを肌で感じられるオプショナルツアーも充実。樹齢2000年とも7000年ともいわれる屋久島のシンボル「縄文杉」や白谷雲水峡の苔むす森など、山林を行くトレッキングは屋久島観光の定番だ。それだけでなく、宝石のような水中世界をのぞくダイビングや豊富な水量を湛(たた)える安房川のカヤックなど、海と川のアクティビティーも豊富で、いつまでも滞在したくなるような魅力にあふれている。
さらに、オリジナルスパ「サンカラ サナ」では、海と山、森と水、雨と太陽が織りなす屋久島の自然エネルギーを取り入れたトリートメントで極上の癒やしを体感することができる。心身の状態に合わせてオリジナルメニューをセラピストが提案するコースや、アクティビティーの後のケアメニューも用意。海をイメージしたシックなトリートメントルームで、心からリラックスできる。
宿泊にあたっては、ホテルと屋久島を知り尽くした専属のバトラーが旅の目的に応じて滞在プランを提案してくれたり季節ごとの見どころを紹介してくれたりと、丁寧にサポート。滞在中は送迎やアクティビティーの手配など、あらゆる要望に対応。予約からチェックアウトまでの時間をきめ細かくフォローしてくれる、実に頼もしい存在だ。
悠久の自然を感じながら過ごすラグジュアリーなステイ。癒やしとエネルギーを一挙に感じられる経験は、まさに天の恵みといえるだろう。
●sankara hotel&spa 屋久島
鹿児島県熊毛郡屋久島町麦生字萩野上553
TEL 0800-800-6007(予約専用ダイヤル)
※『Nile’s NILE』2019年8月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています