日本文化と歴史を味わう旅

東京・大手町高層ビル群の中にそびえる“塔の日本旅館”。星のや東京のメインダイニングで、各地の郷土料理に焦点を当てた新しいディナーコースが開始された。食欲の秋、都心にいながら日本各地の文化と食を楽しみたい。

Text Mizuki Ono

東京・大手町高層ビル群の中にそびえる“塔の日本旅館”。星のや東京のメインダイニングで、各地の郷土料理に焦点を当てた新しいディナーコースが開始された。食欲の秋、都心にいながら日本各地の文化と食を楽しみたい。

夏を脱ぎ捨てる旅へ
星のやリカバリーツーリズム

リカバリーツーリズムとは、疲弊した心身を癒やすことを目的とする新しい旅のスタイル。単なる観光やレジャーとは異なり、心と体のリフレッシュやリラックスを最優先するものである。四季の中でも一日の寒暖差が大きく体調を崩しやすい秋。特に近年は、酷暑による疲労や睡眠不足、胃腸機能の低下など、夏の間に蓄積したストレスを回復できず、体調不良が長引くケースも多いのだとか。そんな疲れを脱ぎ捨てるため、それぞれの土地が持つ癒やしの力を最大限に生かした旅のプランを星のやが提案する。

星のや竹富島

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自然を全身で感じることができる沖縄・竹富島では、深い眠りへ導く「おひとりぐっすりにーぶい滞在」を提供している。「にーぶい」とは沖縄の方言で「眠たい」「眠たそう」という意味。日々の忙しさで乱れがちな生活を調えることを目的として、朝・夜2回のストレッチ、深呼吸で生活リズムを取り戻す。特に夜風に包まれたプールサイドで行う「てぃんぬ(天の)深呼吸」は、ゆっくりとした動きで心身を穏やかに調え、眠りへと誘う。

さらに、質の良い睡眠のために必要なトリプトファンを多く含む豆腐を使った「島のトーフ鍋」やハーブティーの提供など、ゆったりと流れる島時間に身を委ね、リラックスできる2泊3日を過ごす。

●星のや竹富島
沖縄県八重山郡竹富町竹富1955

星のや軽井沢

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日本有数の紅葉スポットでもある軽井沢。ここでは、紅葉の中で心身を調える医師監修のウェルネスプログラム「軽井沢秋の健幸滞在」を提供している。

今年は、東洋医学的アプローチで全身を調える「鍼灸(しんきゅう)ボディケア」や深呼吸とストレッチで全身の筋肉を緩め、質の高い睡眠へと導く「深呼吸入浴」の他、星のや軽井沢に生育している植物に触れ、庭師とともに敷地内を歩く「谷の秋色巡り」、紅葉の繊細な色の違いに向き合い、心の赴くままに並べる「紅葉まんだら並べ」などのプログラムが登場。運動や食事のみならず、感性や感覚を大切にした体験を通して、体だけでなく心をも落ち着かせ、本来あるべき自分の姿を手に入れる。

●星のや軽井沢
長野県軽井沢町星野

星のや沖縄

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年間を通して気温が安定し温暖多湿な沖縄には、独自の風土と文化から生まれた、固有の発酵食材が多く存在する。星のや沖縄では、それらを取り入れた食事や運動で心身を調える「琉球発酵滞在」を提供している。

例えば、泡盛醸造の際、蒸留過程で生成されるもろみ粕「カシジェー」。クエン酸やアミノ酸が豊富に含まれるものの、発酵の速度が速いことから県外に持ち出すことができない貴重な食材だ。このカシジェーを使った料理体験のほか、夕食や朝食でも多くの発酵食材に触れ、体の内側から琉球の発酵文化を学ぶ。

栄養豊富な発酵食材で腸内環境を調え、2泊3日のプログラムで夏の疲れを癒やしたい。

●星のや沖縄
沖縄県中頭郡読谷村儀間474

※『Nile’s CODE』 Vol.35に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「Nileport」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。