パソコンやスマートフォンを使う機会が増え、これまでメガネを使用せずに過ごしてきたが、見えづらさを実感しているという人も多いのではないだろうか。加齢による見え方の変化、いわゆる老眼は誰にでもやってくる。元々近視があり、コンタクトレンズやメガネで矯正している場合は、老眼鏡をかけたり、近視用メガネを外したりする煩わしさもある。さらに、年齢を重ねると、白内障など目の病気のリスクも高まってくる。
白内障手術は年間140万件以上も行われているが、その際に用いられるのが眼内レンズだ。濁った水晶体を取り除き、代わりに目の中に入れる人工のレンズで、単焦点・2焦点・3焦点(多焦点)レンズがある。
「2019年に眼内レンズのトップメーカーであるアルコンから『パンオプティクス』が登場し、眼内レンズの手術は劇的に進化しました」と語るのは、戸塚駅前鈴木眼科の鈴木高佳院長。臨床研究も含め20年間、多焦点眼内レンズ手術に従事し、開院後に行った手術件数は2500件以上という多焦点眼内レンズ手術のスペシャリストだ。
「この手術でポイントとなるのは多焦点眼内レンズのパンオプティクスです。遠距離・中距離・近距離までも見えるようになり、手術を一度するだけで、老眼や近視、乱視までもが矯正できます。白内障を始めとした水晶体に起きる病気の心配はなくなり、実は緑内障のリスクも低くなることがわかっています」