最近の話題を挙げれば、再生可能エネルギーとして注目の風力発電。需要に押されて乱立させると、逆に自然に対し甚大な被害を与えかねない。発電に必要な風通しの良い尾根や海岸は、ワシやタカなどの繁殖地や渡り鳥のルートと重なることも多く慎重な調査が必要なのだ。日本自然保護協会では、風力発電建設予定地に関する調査も積極的に取り組む。
生き物を絶滅から救うためには、現在の生息数を調べる必要があるが、日本ではそうした調査にも国の予算が乏しく、各地のボランティアや日本自然保護協会の活動に支えられてきたケースがほとんどだ。米軍の基地建設が進む辺野古の海は大丈夫なのかと心配しても、なかなか個人で活動するほどの知識と時間がある人は少ないだろう。
しかし、全国にスタッフや専門家、ボランティアを派遣し、独自の調査研究や環境教育、政策への提言を行ってきた日本自然保護協会なら、そんな思いを代弁し、活動に生かすことができる。大切なお金を、世界のどこかの自然ではなく、子どもの頃から愛してきた日本の自然を守ることに使うことができるのだ。