耳が聞こえにくくなるのは、自然な加齢現象とはいえ、つらい。コミュニケーションがうまくいかず家族や社会から孤立してしまったり、イライラしたり、気持ちがふさいだり、あるいは音で危険を察知できず事故などに巻き込まれる場合もある。当然、補聴器に頼るのだが、困るのは、ハウリングや雑音の少ない、理想的な「きこえ」を実現してくれる補聴器に、なかなか出合えないことだ。
実は俳優の千葉真一氏は、難聴に苦しんだ一人。戦争やギャングの映画に出演する中で、爆弾や拳銃の音を大量かつ大音量で浴びたために、「気がついたら難聴になっていた」という。そして補聴器探しを続けること数年、「リビオAI」に巡り合った。米ミネソタ州に本社を置く、創業52年の補聴器テクノロジー会社、スターキー・ヒアリング・テクノロジーが「補聴器を再発明する」というコンセプトの下で開発した“クールな補聴器”である。装用1週間にして、千葉氏はその性能に驚愕(きょうがく)! どこがすごいのか、具体的に見ていこう。
補聴器なのだからもちろん、「きこえ」の性能は抜群。比類なき優れた音質を誇る。マシンラーニングとAIの技術により、どんな環境でも人間の音声を聞き取る機能が強化されているのだ。例えば騒々しい環境で、雑音を平均50%減少させ、聞き取りに要する労力を大幅に軽減。語音の明瞭度が従来品より大幅に改善された。
難聴者を「補聴器を装用しているのに聞き取りにくい」ジレンマから解放してくれるのである。
また特筆すべきは、多機能デバイスとしてのすごさである。その中核になるのが、スライブというアプリだ。例えば脳と体の健康状態がトラッキングできるなど、補聴器をウェアラブルウォッチのように使える。「健康の入り口」になりうると言っていい。加えて装用者が転倒したら、それを検出して家族や知人など三人の所定の連絡先に通知する機能が提供される。
介助者にとってこれほど安心なことはない。
さらにうれしいのは、何と27カ国語に対応する音声翻訳を利用できることだ。語学力ゼロでも、多くの国の人とのコミュニケーションがバッチリ。
会話する双方が「リビオAI」の装用者なら、通訳を介さずに会話することも可能だ。しかも音声が聞き取りにくい場合は、相手の言葉をすぐにスマホ上に文字起こしする機能まで備わっている。「リビオAI」は通訳や書記としても活動してくれるのだ。
このほか「2・4GHzワイヤレス・アクセサリー」として、テレビなどのオーディオを補聴器に直接ストリーミングする「TVストリーマー」や、会話の聞き取りに特化した「ミニマイク」、スマホなしで補聴器を操作できる「スライブリモコン」、トラブルやフィッティングの微調整を遠隔でサポートするシステム「どこでも聴覚ケア」など、利便性の高い機能・サービスが満載されている。
「リビオAI」は難聴者のみならず健聴者も含めて、多彩な場面で使えるすごいヤツ。「補聴器を超える補聴器」として、利用を検討したい。
●スターキージャパン TEL0120-045-190
※『Nile’s NILE』2019年7月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています