愛煙家は精一杯気を使っている。「どうすれば周囲の人に不快な思いをさせずにすむか」と。問題は「におい」と有害物質が含まれるとされている「たばこの煙」、付着する「ヤニ汚れ」……。 これらのリスクを限りなくゼロに近づけるために、JTが独自の技術を結集して、たばこ葉を燃やさず、高温加熱もしない、低温加熱方式の次世代たばこ「プルーム・テック」を開発した。
「先日、食事の後にシガーバーに行った時、友人が見たことないたばこを吸い出して。すぐ隣りにいても、煙は出ないし、においもほぼない、『その未来的なたばこは何? 』と聞いたんです。そしたら、今、愛煙家の間で話題の『プルーム・テック』だと教えてくれました。
今は非喫煙者なのですが、喫煙経験者としては味が気になるので、味見をさせてもらいました。一服してみて、〝たばこ吸ってる感〞があるのにビックリしました。それに、全然ヤニっぽくない。紙巻みたいにニコチンが鼻から抜ける感じもなく、口の中もイガイガしませんでした。普段吸わない立場からしても、周りの人の服や髪に、イヤなにおいがつかないのがいいですね」
とリストランテ ホンダの本多哲也氏がその時の印象を話した。
「たばこって、習慣であり、記憶なんですよね。お酒を飲んだり、気分転換したい時に、つい手が伸びる。口寂しさがあったり、吸う時のあの動作を求めたりするんだと思う。その意味では、これで気を紛らわすのもアリですね。たばこの煙が出ないってことは、健康へのリスクも軽減されているはずだから。僕は非喫煙者ですが、このプルーム・テックは喫煙者の新しい選択肢の一つになりうるでしょうね」
実際、プルーム・テックは紙巻に比べて健康懸念物質が99%低減されている、というデータもある。認知度が上がれば、今後、たばこ新時代を開く可能性がありそうだ。
歯科医は患者と至近距離で接するので、仕事の合間に一服とはいかない。しかも小林哲也氏の住むマンションは全面禁煙。愛煙家としては少々つらい。そこでプルーム・テックを試してもらった。結果、「普通のたばこが吸えなくなった」とか。
「一番の理由はにおいがないこと。家に帰っても家族に嫌がられません。それに吸い切りではないので、好きな時にちょっとずつ楽しめる。本数はむしろ減ったような気がしますね。あと、喫煙所まで行くとか、吸った後に歯磨きする、のどが渇くからセットでコーヒーを用意するなど、たばこがらみの時間が短縮されました。スマートな形状も気に入ってます。今は例えばゴルフの時はベリーミントフレーバーのパープルというふうに、気分に応じて異なるフレーバーを楽しんでいます」
――まさにいいことずくめ。
「もちろん喫煙所での〝たばこコミュニケーション〞や、酒席の〝だらだらリラックス〞など、紙巻たばこならではのよさはありますが、もらいたばこで足りるかな」と笑う。
歯の健康への影響はどうだろう?
「普通のたばこだと歯が黄ばむ、歯茎が黒ずむ、口内が乾燥し唾液が減る、といったことがあります。でもこれなら、そういう心配は少ないかな」と言う小林氏は、「吸う患者さんにすすめたい。クリニックで紹介できるともっといい」と積極推進派を自任する。
果たしてプルーム・テックは「歯科医師推奨たばこ」となりうるか……。
※『Nile’s NILE』2017年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています