
ライター・編集者の鬼頭勇大さんがさまざまな街のフードコートを訪れる本連載。今回は、大阪・梅田に誕生した商業施設「グラングリーン大阪」内の「タイムアウトマーケット大阪」を訪れました。
タイムアウトマーケット大阪は、「関西最後の一等地」とも呼ばれる再開発エリア「うめきた」に2024年3月にオープンしました。この施設が位置する「グラングリーン大阪」は、第一期「グランフロント大阪」に続く再開発の第二期で、うめきた公園という広大な緑地を特徴としています。再開発エリアとしては珍しく、敷地の約半分を緑に充てており、訪れた人々が思い思いに過ごせる贅沢な空間となっています。
一方、残る半分には富裕層向けの施設も目立ちます。例えば「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」や、ヒルトン最上級ブランドである「ウォルドーフ・アストリア大阪」などの高級ホテルが開業。また、タイムアウトマーケット大阪自体も高価格帯のフードコートとして注目されています。
タイムアウトマーケットは、2014年にポルトガル・リスボンで始まったフード&カルチャーマーケットで、編集者目線で厳選された飲食店が並ぶのが特徴です。日本初・アジア初進出となる大阪店には、ミシュラン星付き店などが17店舗、バーが2つ入居しています。和牛サンド1万円など高額メニューもあり、「日本的フードコート」とは一線を画しています。
実際に訪れてみると、Googleの口コミで見られるような「暗すぎる」「高すぎる」といった辛口意見もある一方、そこまで暗くはなく、雰囲気ある照明やアート、ライブステージなどが設けられており、文化的な空間として楽しめる造りになっています。座席も多様で、総面積約3000平方メートル・約800席とかなりの規模を誇ります。
飲食価格は全体的に高めで、うどん一杯850円、串揚げは5本で3500円など。著者はうどんと創作串揚げを注文しましたが、串揚げは注文から提供まで30分近くかかり、フードコートとしては珍しい体験だったようです。料理のクオリティは高く、見た目にも美しい内容でした。
食後、食器の返却場所がわからず戸惑ったところ、スタッフが片付けてくれるサービスもあり、「富裕層向け」らしいホスピタリティも印象的でした。
なお、徒歩数分の場所にある「うめきたグリーンプレイス」には吉野家やモスバーガー、丸亀製麺などが並ぶ、親しみやすいフードコートも存在します。シックで高級感のあるタイムアウトマーケット大阪とは対照的な雰囲気で、今後この2つのフードコートがどのように棲み分けていくのか注目されます。

情報元:PRESIDENTオンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/869004