日本人だけがそのスゴさに気づいていない…セナ、シューマッハと肩を並べた「F1界の大谷翔平」が鈴鹿を走る意味

角田裕毅は日本に再び「F1ブーム」を巻き起こせるか

角田裕毅は日本に再び「F1ブーム」を巻き起こせるか

2022年10月7日、9年ぶりにダブルタイトルを獲得したRB18(写真=ごひょううべこ/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons)

2025年4月4日、F1日本グランプリが鈴鹿サーキットで開幕しました。注目は何と言っても、日本人ドライバー角田裕毅選手の「レッドブル」への電撃移籍です。レッドブルはF1界をけん引するトップチームであり、彼の移籍は日本モータースポーツ史に残る大事件といえます。

F1は、年間23戦を世界各地で開催し、わずか20名しか出場できない超競争の激しいスポーツです。かつて1990年代には日本国内でも高い人気を誇っていましたが、現在はやや下火となっています。それでも世界的には右肩上がりの成長を続けており、Netflixシリーズ『栄光のグランプリ』の影響で、特にアメリカを中心に新たなファン層を獲得。毎年400万人が現地で観戦し、20億人が視聴するグローバルなコンテンツへと変貌しています。

Formula1 Data/F1情報・ニュース速報解説「F1日本GP:歴代観客動員数の推移 1987年~2024年までの歩みと背景」
https://formula1-data.com/article/f1-japanese-gp-audience-turnout-trends

F1の最大の魅力は、最高時速400kmに迫る圧倒的なスピードと、それに伴う極限状態の戦いです。体にかかる負荷や、命の危険と隣り合わせの緊張感は、他のスポーツでは味わえない特異性があります。そしてF1は、ドライバーの技量だけではなく、チームの組織力・開発力・資金力・政治力までもが勝敗に大きく影響するスポーツです。

その中で、角田選手が所属することになったレッドブルは、2022・23年と2年連続で年間優勝を果たした常勝軍団。エースドライバーは4年連続世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペン選手であり、その名門に角田選手が加わったことは、まさに「快挙」といえます。

角田選手は2000年生まれ。幼少期からカートで腕を磨き、F3・F2を経て、2021年にアルファタウリからF1デビュー。当初は感情の起伏が激しい面も見られましたが、近年は着実に成績と精神面の安定を示し、ついにトップチームから声がかかる存在となりました。2024年は年間ランキング12位と健闘し、特に鈴鹿では10位入賞。こうした実績に加え、レッドブルのドライバー交代事情もあり、角田選手の抜擢が実現したとみられます。

F1に参戦する企業は増え続け、車体開発費だけで年間150億円規模、タイヤやパーツも高額で、まさに「走る巨額投資」といえます。その中でレッドブルは、わずか20年の参戦で歴代5位の勝利数を誇るまでに成長し、現在はメルセデスやフェラーリをも凌ぐ存在です。

これまでF1に参戦した日本人ドライバーは20人程度であり、現役を長く続けた者はほんの一握り。片山右京選手が6年、佐藤琢磨選手が7年といった記録から見ても、角田選手がレッドブルに加入し、継続してレースに出場することの意義は計り知れません。

日本ではF1人気が一時のようには戻っていないものの、角田選手の今回の移籍をきっかけに、再び関心が高まる可能性があります。F1界における「日本の大谷翔平」ともいえる角田選手の活躍は、再び日本にF1ブームを巻き起こすポテンシャルを秘めています。

鈴鹿GPで角田選手がどのような走りを見せるのか、そしてセナやシューマッハのような伝説のドライバーたちにどこまで近づけるのかが注目されます。。

情報元:PRESIDENTオンライン
https://president.jp/articles/-/94068

ラグジュアリーとは何か?

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