
ラウンドワンのアメリカ進出と成功の背景
日本発の大型アミューズメント施設「ラウンドワン」は、1993年に国内第1号店をオープンし、現在では国内で約100店舗を展開しています。さらに海外にも進出しており、アメリカでは56店舗、中国では4店舗(2025年3月3日現在)を運営しています。特にアメリカ事業は好調で、2025年3月期上半期の売上高は前年比5.2%増の176.5億円と堅調な成長を続けています。
ラウンドワンがアメリカ進出を開始したのは2010年ですが、初期の数年間は英語を話せない、海外経験のないスタッフを集めるなど、試行錯誤の連続でした。それでも日本国内で培った高いオペレーションレベルを持ち込み、現地でのスタッフ育成や最新設備の導入を徹底することで「きちんとした店舗づくり」を実現しました。この日本型の丁寧な運営体制が、アメリカでの成功を支える重要な要素となったのです。
また、アメリカ進出にあたっては、ユタ州やテキサス州などの内陸部から始め、東西海岸にも幅広く展開しています。これはアメリカが車社会であるため、娯楽施設が不足している地域に的確に出店しているためです。さらに、店内には日本アニメ『呪術廻戦』などのぬいぐるみを並べ、現地の若者のトレンドを捉えることで、トレンドの発信基地としての認識も得ています。
日本国内での成功モデルをアメリカに応用し、現地のニーズや文化に合わせた柔軟な対応を行ったことで、アメリカのアミューズメント市場で成功を収めています。コロナ禍以降も順調に店舗を増やしている背景には、こうした日本型の運営モデルと徹底したリサーチ力があると言えるでしょう。