NHKに提訴された日本IBMの反論が生々しい…仕様書に記載ない仕様が満載

NHKは、日本IBMに委託していたシステム開発が遅延したことを理由に、契約を解除し、約55億円の代金返還と損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。これに対し、日本IBMは公式リリースを発表し、反論しています。

争点となる主張
NHKは、日本IBMが開発途中で大幅な方式の見直しと納期遅延を求めたと主張。一方、日本IBMは、現行システムの解析を進める中で、当初の要求仕様書では把握できなかった複雑な構造が判明したため、NHKに随時報告しながら対応を協議してきたと説明しています。2024年5月には、従来の納期内で品質を確保するのが困難であると伝え、代替案を提示したものの、NHKは協議に応じず、契約解除を決定したと述べています。

背景と専門家の見解
NHKは2022年12月に日本IBMと業務委託契約を締結し、2027年3月の完成を目指していました。しかし、2024年3~5月、日本IBMが開発方式の見直しを求め、納期が1年6カ月以上遅れる可能性を示唆したため、NHKは業務継続が困難になると判断し、契約を解除。代金返還を求めましたが、日本IBMが応じなかったため提訴に至りました。

システム開発では、発注者側が現行システムの詳細を把握しきれず、開発が進む中で仕様の見直しが必要になることがよくあります。大手SIerのPMによると、仕様の不備が開発後に発覚するのは珍しくなく、本来は発注者が事前に洗い出すべきものですが、システム部門が十分に対応できていないことが原因でトラブルが発生するケースが多いとのことです。また、SEの視点では、現行システムを開発した富士通ではなく日本IBMが選ばれた点も注目されており、価格競争の影響や外資系ベンダーの契約に対する厳格な姿勢が背景にある可能性が指摘されています。

裁判の焦点
弁護士によれば、システム開発の裁判では「要求定義」と「要件定義」のどちらに問題があったのかが争点となることが多いといいます。今回のケースでは、NHKが提示した要求定義に不備があり、日本IBMが開発を進める中で問題を指摘し続けていた場合、NHKの責任が問われる可能性があります。しかし、発注者はシステム開発の専門家ではないため、日本IBMがリスクを適切に伝えていたかどうかも考慮されるでしょう。最終的には、契約締結から開発破綻までの「議事録」が重要な証拠となり、どの時点でどのような問題が発生し、各当事者がどう対応したのかが検証されることになります。

この裁判の行方によって、今後のシステム開発契約の在り方にも影響を与える可能性があり、業界関係者からも注目されています。

出典:Business Journal
https://biz-journal.jp/company/post_386528.html

ラグジュアリーとは何か?

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