
埼玉県八潮市で発生した県道陥没事故に関し、県が設置した「復旧工法検討委員会」の森田弘昭委員長(日大教授・土木工学)が6日、読売新聞の取材に応じました。現在も安否が不明な70代の男性トラック運転手の救出に向け、下水の利用自粛をさらに強化する必要があるとの考えを示しました。また、現場の復旧には2〜3年かかると推測しました。
森田氏は、下水の流れが速い現状では救助隊員の安全確保が難しいと指摘し、「下水を限りなくゼロに近づけることが重要」と述べました。さらに、「24時間の下水利用自粛など、思い切った手段を取る必要がある」と強調しました。県はすでに4日、上流に位置する12市町の約120万人に「可能な限りの節水」を要請していますが、それ以上の措置が必要であるとしました。
また、がれきの撤去については「砂や粘土が多く、砂浜に穴を掘るような状態であり、不用意にがれきを除去すると斜面が崩れる可能性がある」とし、作業の難しさを指摘しました。
復旧方法については、損傷した下水道管の補修ではなく、陥没地点を迂回する形で、上流600メートルと下流600メートルの2地点をつなぐ新たな管を設置する方法を提案しました。民家の地下を避ける必要があるため、復旧完了までには2〜3年かかる見通しです。
下水道の点検には、「飛行型や水上を移動する船型のドローンを活用することが有効」との考えを示しました。
「復旧工法検討委員会」は複数の有識者で構成され、2日に初会合を開いています。