氷河期世代「死ぬまで踏み台」 若手だけ給与上昇、格差あらわに

近年、初任給の引き上げや春闘での賃上げが活発化しているが、その恩恵は若年層に集中し、「就職氷河期世代」にあたる中高年の賃金は停滞または減少している。2024年の春闘では、平均賃上げ率が5%を超えたものの、「30歳程度までの若年層へ重点配分」と回答した企業は34.6%に上り、「45歳以上のベテラン層へ重点配分」とした企業はわずか1.1%にとどまった。

賃金の増減を年代別に見ると、20~29歳は約10%増と大幅な伸びを示したが、40代以降はほとんど伸びず、50代では減少に転じた。特に、40~54歳の「就職氷河期世代」は大きな影響を受けている。この世代は1993~2004年のバブル崩壊後に就職活動を行い、大企業の採用縮小や有効求人倍率の低下により、非正規雇用を選ばざるを得なかった人が多い。そのため、キャリアのスタート地点での不利が生涯賃金に影響を及ぼしている。

一方、企業は若手確保のために初任給を30万円以上に引き上げる動きを強めている。X(旧Twitter)では、「氷河期世代は置いてけぼり」「せめて年金で暮らせるようにしてほしい」といった不満の声や、「死ぬまで踏み台」と嘆く投稿が相次いでいる。

この状況について、経済の専門家は「年齢で区切る一律の雇用制度を見直し、成果に応じた報酬制度を導入すべき」と提言。年齢に関係なく評価される環境が整えば、中高年にも希望が生まれ、労働力不足の解決にも寄与すると指摘している。

ラグジュアリーとは何か?

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