
国内外食チェーンの店舗数ランキングとカフェ業界の動向
日本国内の外食チェーンで店舗数第2位はスターバックス(1986店舗)であり、カフェ業界ではトップを走っている。1位はマクドナルド(2988店舗)。2026年にはスターバックスコーヒージャパンが30周年を迎えるが、日本市場では依然好調で、米国事業の停滞とは対照的である。
一方、国内カフェチェーンも成長しており、特にコメダ珈琲店(1004店舗)はフランチャイズ展開で急成長。2位のドトール(1075店舗)を近年中に抜く可能性が高く、営業利益の高さも特徴。スターバックスとコメダはターゲット層やブランド戦略が異なり、それぞれ独自のポジションを確立している。
スターバックスのブランド戦略と「選ばれる」仕組み
スターバックスは1996年に銀座に1号店を開店。以降、都市部から郊外、公共施設まで幅広く出店を拡大。ブランドの核は「サードプレイス(家庭でも職場でもない居場所)」を提供することにあり、直営店中心の運営で統一されたブランドイメージを維持している。
スターバックスの成功の要因の一つは「顧客を選ぶ」仕組みだ。価格を高めに設定し、高品質なコーヒーと特別な空間を求める層をターゲットにしている。また、特徴的な「スターバックス用語」(ショート・トール・グランデなど)により、ある程度の知識がある顧客層を引き寄せ、ブランドの特別感を維持。これは米国でも見られる戦略で、日本ではより顕著な効果を生んでいる。
「かっこつけない」コメダ珈琲の独自戦略
対照的に、コメダ珈琲はフランチャイズ主体で全国展開し、「かっこつけない」スタイルを貫く。メニュー名はシンプルでわかりやすく、幅広い世代が気軽に利用できるよう工夫されている。さらに、店舗では長時間滞在が可能で、仕切りのある座席配置や広いテーブルが特徴。
コメダはモーニング、ランチ、ディナーと時間帯ごとに異なる客層を取り込み、リピート利用による客単価の向上を図る。こうした戦略が功を奏し、地域密着型のカフェとしての地位を確立している。
まとめ
スターバックスは「かっこよさ」とブランディングを重視し、コメダは「居心地の良さ」と大衆向けの戦略で成長を続けている。日本のカフェ業界は、それぞれの強みを活かした店舗展開により、多様なニーズに応える形で進化している。