
中国発の生活雑貨チェーン「MINISO(メイソウ)」は、日本のユニクロや無印良品、DAISOを彷彿とさせるデザインを特徴とし、現在世界各国で急速に店舗展開を進めています。2024年6月末時点で、中国国内に4115店舗、海外に2753店舗の計6868店舗を展開し、特に米国市場では9割近くの店舗が黒字となり、1万店舗を目標に拡大中です。
MINISOは2013年に中国で創業し、「高品質・低価格・シンプルデザイン」をコンセプトに掲げています。創業当初、日本のデザイナー・三宅順也氏がデザイン顧問を務めたこともあり、日本発ブランドのようなマーケティングが行われていました。しかし、現在ではその表記は削除され、実態としては中国企業であることが明確になっています。
中国国内では、ショッピングモールや都市部を中心に展開し、ミレニアル世代やZ世代をターゲットに、キャラクターコラボ商品や季節ごとの低価格アイテムを揃えることでリピーターを獲得。実店舗とECの連携も進んでいます。海外進出も積極的で、特にインドでは規制の厳しい環境下でも複数店舗を展開しており、空港内にも出店しています。
DAISOとの違い
MINISOと競合関係にある日本の100円ショップ「DAISO」との違いは以下の点にあります。
価格戦略:
DAISOは均一価格(米国では1.75ドル~1.99ドル)を採用し、価格の分かりやすさを強みにしています。
MINISOは商品ごとに異なる価格設定を行い、価格の自由度を高めています。
商品ラインナップ:
DAISOは調理器具や掃除グッズ、文房具など、実用性の高い日本製品を中心に展開。日本語のパッケージをそのまま使用し、日本文化に興味を持つ顧客から支持を受けています。
MINISOはデザイン性やキャラクターコラボ商品を豊富に取り揃え、観光客や若者向けに「ギフトにも適したアイテム」を提供しています。
店舗デザイン:
DAISOはシンプルな店内レイアウトで、目的の商品が探しやすい実用的な構成。
MINISOは華やかで明るい雰囲気を演出し、SNS映えを意識した商品ディスプレイを強化。
米国市場では、DAISOとMINISOが同じショッピングモール内で共存するケースも多く、それぞれの強みを活かしながら市場を拡大しています。
MINISOは、低価格ながらデザイン性を重視した商品戦略と、SNSを活用したマーケティングで、世界的に成長を続けています。今後も、積極的な海外展開とブランドの差別化によって、さらなる市場拡大が見込まれます。