エコノミスト「アクティビストが売り抜けたければ…」「メディア系列は機関投資家からすると特殊な世界」
27日、フジテレビは一連の問題を受けて10時間以上にわたる記者会見を行い、中居正広さんと女性とのトラブルについて把握した後の対応を説明し、嘉納会長と港社長の辞任を発表した。
【映像】なぜ? 会見を経て絶好調なフジ・メディアHDの株価(グラフ)
その一方で、フジ・メディア・ホールディングスの株価は上昇している。3月末には第三者委員会の調査結果発表があり、6月には株主総会が予定されているが、今後も上昇傾向が続くのだろうか?
エコノミストの崔真淑氏は「今後の展開には2つのシナリオが考えられる」と分析している。
「一つ目は、著名な個人投資家が6月の株主総会で『株主提案』という形で、取締役の交代を求めるケースです。基本的に個人投資家による株主提案が通ることはほぼありませんが、アクティビストファンド(物言う株主)が加わり、経営陣が交代する可能性もあります。そうなれば、ガバナンス改革への期待から株価がさらに上昇する可能性があります。」
「二つ目は、アクティビストファンドが『フジを変えたい、経営を良くしたい』という熱意を持っているのではなく、『売り抜ける』ことを目的として、株主総会前に株を売ってしまうパターンです。この場合、個人投資家だけの提案で何も変わらなければ、株価が下がる可能性もあります。」
さらに崔氏は「フジテレビだけでなく、メディア全体が直面している課題がある」と指摘した。
「海外では、同じグループ会社に新聞、テレビ、ラジオを持つことを禁止している国も多くあります。メディア系列は国際的には特殊な形態であり、海外の機関投資家から『KEIRETSU』と呼ばれることもあります。また、上場しているテレビ局や新聞社は買収されにくい、あるいは外部資本が入りにくい構造にありますが、実はその結果として経営の活性化のチャンスを逃している可能性もあります。」