上天草市松島町に誕生した「天ノ寂」。その名の通り、人と同じではつまらない、あまのじゃくな人にもおすすめしたい名宿だ。天草で長く愛される老舗「ホテル竜宮」、「天空の船」に続く三つ目の宿であり、全11室のスイートルームを用意。洗練された空間で美しい景観と地元食材をふんだんに使った料理でもてなす、天草きってのラグジュアリーホテルである。
何より贅沢なのは、天草の海を独占するような景色。大小120余の島々からなる天草諸島ならではの青い海と島々の景観に、ロビーにいても客室にいても、常に視線を吸いよせられる。時とともに移り変わる空の色と、時を刻むように寄せる波の音。そんな時間の経過によって現れる根源的な美しさこそが “寂” であるというコンセプトが、同ホテルのもてなしの柱だ。そして、遮るもののない、天空の静寂からこの趣を愉しめるから、「天ノ寂」。ゆったりと、時間を忘れて景観を満喫したい大人に向けた宿である。
客室はテラスを含め104㎡から174㎡とゆとりのある広さを持つクアッドスイート、ジュニアスイート、スイートの3タイプのスイートを用意。全室から天草の海を一望でき、松島温泉かけ流しの湯が備えられている。特に最上階のスイートでは、「オーシャンビュー」という言葉の枠に収まらない、海や空との一体感が愉しめる59㎡の広々としたテラスに加え、内湯と露天風呂、そしてサウナや水風呂を完備。内装や家具、アメニティーまで徹底的にこだわった格調の高さは、場所によってはとても同じ価格帯では宿泊できないと思わせるほど。隅々まで美意識が行き届いた、大切な人を招待するにもふさわしい空間だ。