空間が描くブランドの世界

260年以上の伝統を誇るフランスのメゾン、バカラの世界を五感で堪能できる 「B bar Marunouchi」が、今年5月にリニューアルオープン。その内装設計・施工を、東京に本社を置き、デザイン・コンサルティング・コーディネーションを世 界11拠点で展開するGARDEが手掛けた。「B bar Marunouchi」のバーテンダー・福田英徳氏と、GARDEのデザイナー・桐谷万奈人氏に話を聞いた。

Photo Satoru Seki Text Mizuki Ono

260年以上の伝統を誇るフランスのメゾン、バカラの世界を五感で堪能できる 「B bar Marunouchi」が、今年5月にリニューアルオープン。その内装設計・施工を、東京に本社を置き、デザイン・コンサルティング・コーディネーションを世 界11拠点で展開するGARDEが手掛けた。「B bar Marunouchi」のバーテンダー・福田英徳氏と、GARDEのデザイナー・桐谷万奈人氏に話を聞いた。

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    店内に足を踏み入れると、重厚で落ち着いたバカラの世界が広がる。前店舗では白かった壁を黒に変更しているが、天井高を可能な限り確保し、ライティングの配置や光量を計算することで、奥行きと広がりのある空間を実現している。
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    バカラレッドをイメージした真紅のソファは、高級感と軽やかさが同居するファブリック素材。店内に三つあるプライベートスペースに配置されている。
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    翡翠色にきらめくシャンパーニュカクテル「ジェイド」。バカラのシグネチャーカクテル。
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    「B bar Marunouchi」ではシガーも堪能できる。ヒュミドーロやアッシュトレイもバカラ製。
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テーマは“バカラの世界に酔いしれる”。バカラのグラスでお酒を飲み、スタッフからブランドストーリーを聞く──ここまでバカラを体感できる場は、他にない。黒を基調としたモダンでシックな空間の随所にはブランドカラーの赤が配置され、柔らかな光を受けるクリスタルの美しさを際立たせる。

「前店舗のデザインを踏襲したうえで、いかにアップデートをするかが課題でした。高級感を保ちながらも全体が軽やかに見えるように壁やイスの素材を選びました」と桐谷氏。例えば、ソファは革張りからファブリックに変更。その効果か、以前は40〜60代男性が中心だった客層に、最近は若い女性が増えているという。「以前より親しみやすい雰囲気の空間になったと思います。より幅広い層にバカラの魅力を届けられるようになってうれしいです」と、福田氏も笑顔を見せる。

特にこだわったのはカウンターだ。天板は前店舗にあったものを生かしつつ、高さを上げてよりスタイリッシュに。フットレストやクッション付きのハイチェアの座り心地も良い。カウンター奥の棚には、約200種類のバカラグラスがずらり。眺めるだけで心が高揚するが、その中から好きな一客を選んで使えるというのも特別な体験だ。この店で出合った運命のグラスをそのまま購入することもできる。

「バカラというブランドに触れる体験がより上質なものとなるような、死角のない空間になったと思います」と話す桐谷氏。ぜひ、こだわりの詰まった唯一無二の空間で、至高のひとときを過ごしてほしい。

●B bar Marunouchi
東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビルB1F
TEL 03-5223-8871
営業時間16:00~26:00(L.O.25:30) 日曜祝日定休

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ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「Nileport」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。