疾走の先にある静寂

青々と茂る木々の間から太陽の光がこぼれ落ちる初夏の休日。爽やかな風を受けながら、熱海までの道を駆け抜ける。ドゥカティの「新型ムルティストラーダV4」で向かうのは、ふふ熱海。都市の喧騒から離れ、静謐な時間が流れる宿で旅の疲れを癒す。大人だけに許された贅沢なひとときを堪能したい。

Photo Satoru Seki Text Fumio Ogawa

青々と茂る木々の間から太陽の光がこぼれ落ちる初夏の休日。爽やかな風を受けながら、熱海までの道を駆け抜ける。ドゥカティの「新型ムルティストラーダV4」で向かうのは、ふふ熱海。都市の喧騒から離れ、静謐な時間が流れる宿で旅の疲れを癒す。大人だけに許された贅沢なひとときを堪能したい。

疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4
フロントホイール付近の暗部をなくすフルLEDヘッドライトや、後方からの視認性を高めるドゥカティ・ブレーキ・ライト(EVO)に加え、アクセサリーとしてリア・フォグランプも利用可能。

もちろん、最大の魅力は走りだろう。2気筒のムルティストラーダV2に対して水冷4気筒エンジンを搭載し、1158ccの排気量から125kWの最高出力と124Nmの最大トルクを発生する性能ぶりが、何よりの特長だ。モーターサイクルの良さの一つは、からだが剥き出しで高速やワイディングロードを駆け抜けて行くときの、唯一無二のスリル、だと思っている。今回のツーリングは、東京から100㎞ほどの熱海。そこまで距離は長くはないけれど、それでも、降りたときの高揚感はほかでは得がたいものだ。

モーターサイクルの文化が定着している欧米では、ムルティストラーダに大きなパニアケース(モノ入れ)を取り付けて、二人乗りで走っている姿を見かける。知り合いのドイツ人は、フランクフルトからミュンヘンを経由してオーストリアのザルツブルグまでの540㎞の旅なんて「楽ちんだから快適だ」と言っていた。ムルティストラーダはムルティ(多様)と銘打ってはいるものの、オンロードでの快適なツーリングが主眼という。長距離を疲労感なく走れてしまうところに、欧州生まれのモーターサイクルの底力を感じる。

ライディング自体が喜びであるものの、ツーリングならば、楽しみになる目的地が欲しい。そう考えている人に勧めたいのが、ふふ熱海だ。エントランスへ続く小川を渡ると、都会の喧騒を忘れさせてくれるような穏やかな空間が広がる。川のせせらぎや鳥のさえずりに耳を傾け、心身を解き放ち、ゆったりと贅沢な時間を過ごしたい。

  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4
    ふふ熱海の「ラグジュアリースイート」は、落ち着いた色調の広々とした客室。窓外の緑を眺めながら、リラックスした時間を過ごしたい。
  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4
    ラグジュアリースイートの天然温泉の露天風呂では、海風を感じながら湯に浸かり、心身をととのえる。内風呂の隣にはスチームサウナも用意。
  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4
    伊豆近海でとれた海鮮を味わうことができる日本料理の会席。全室が個室となるため、ゆっくりと食事を楽しむことができる。
  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4
  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4
  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4

ふふ熱海は、すべての客室が熱海温泉の露天風呂付きスイートルーム。到着後は客室でのんびりと温泉に浸かったり、世界各国の格式高いホテルで展開するスパ「Spa by sisley」で旅の疲れを癒やすのもいいだろう。遠くに海を望む屋上のテラス「月読」では、夕食までフリーフローを楽しむこともできる。また地元の食材を取り入れた夕食は、日本料理、鉄板焼き、鮨割烹とバリエーションを用意。この料理を目的に訪れるゲストも多いという。

熱海駅の開業から今年で100年。豊かな温泉が湧き出る熱海は、多くの人を引き付けてきた。ふふ熱海は、この地の歴史や文化を尊重しながら、現代のもてなしやくつろぎを取り入れた宿としてオープン。上質で洗練された空間で温泉に浸かり、こだわりの料理を堪能する時間は、まさに至福のひとときと言えるだろう。

  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4
    歴代のムルティストラーダの特徴でもある、ボリューム感あふれるフロントのデザインは健在。クロスオーバースタイルを継承したデザインは、エレガントで堅牢なスタイルを表現している。
  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4
    コーナリングライトを備えた高度なLEDヘッドライトが新たに追加。フロントホイール付近の暗部がなくなり、視認性が高まった。
  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4
    ムルティストラーダV4は、リアビューミラーの死角にある車両警告システムを搭載した世界初のバイク。今回の新型モデルでは、前方衝突警告機能も追加された。
  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4
  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4
  • 疾走の先にある静寂、ドゥカティ、新型ムルティストラーダV4

ふふ熱海で心身を癒やし、明日への活力を養ったあとは、適度に屈曲が続く国道135号線で海沿いの景色を楽しみながら、というのもいいし、箱根を超えて伊豆スカイライン経由のコースもモーターサイクル好きなら食指が動くはず。

宿を出る前にムルティストラーダV4を停め、じっくりと眺める。そのときの喜びを、ぜひ体験してもらいたい。凝縮された時間のあとの精神の充足感こそ、このイタリア生まれのモーターサイクルが与えてくれる最大の贈り物だ。ほかではなかなか手に入らないものだと思う。

ムルティストラーダプレミアムカタログプレゼント

アンケートにお答えいただいた方の中から抽選で20名様にムルティストラーダプレミアムカタログをプレゼントいたします。下記URLにある項目にご入力のうえ、送信してください。応募締め切りは8月31日(日)となります。また、カタログの発送は2025年9月上旬を予定しております。

1 2
ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「Nileport」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。