美しき共鳴 ポルトローナ・フラウ

イタリアの高級インテリアブランド、ポルトローナ・フラウが、日本人アーティストとして初めて、気鋭アーティストである奈良祐希氏とコラボレーションした限定モデルの特別イベント「Poltrona Frau×奈良祐希」が開催される。伝統と革新を続けるポルトローナ・フラウと、あらゆる事象の「境界」を見つめ、無限のグラデーションを生み出す奈良氏の感性が共鳴する、刺激的な瞬間に立ち会いたい。

Text Rie Nakajima

イタリアの高級インテリアブランド、ポルトローナ・フラウが、日本人アーティストとして初めて、気鋭アーティストである奈良祐希氏とコラボレーションした限定モデルの特別イベント「Poltrona Frau×奈良祐希」が開催される。伝統と革新を続けるポルトローナ・フラウと、あらゆる事象の「境界」を見つめ、無限のグラデーションを生み出す奈良氏の感性が共鳴する、刺激的な瞬間に立ち会いたい。

美しき共鳴、ポルトローナ・フラウ X 奈良祐希
ミラノの建築家兼デザイナー、ルドヴィカ・セラフィーニ氏とロベルト・パロンバ氏のデザインによるポルトローナ・フラウのソファ「Get Back」を中心に据えた美しい空間。

創業から110年以上続くイタリアンラグジュアリーブランドとして知られるポルトローナ・フラウ。伝統的なクラフツマンシップを誇り、独自の製法で作られる最高級レザー「Pelle Frau®(ペレ・フラウ)」は、ホテルやコンサートホールに採用されるほか、フェラーリ、パガーニなどの高級車のシートに使われるなど、世界中の人々を魅了している。

長い歴史のなかで常に独自の存在であり続けられたのは、伝統を大切にしつつ、デザイナーや他ブランドとコラボレーションするなど、時代の感性を積極的に取り入れて進化してきたからだろう。その一つとして、2月にはポルトローナ・フラウ東京青山にて、陶芸家・建築家として活躍する奈良祐希氏がコラボレーションした限定モデルの特別イベント「Poltrona Frau╳奈良祐希」が開催される。奈良氏は建築と陶芸の融合を目指した作品で知られ、日本建築設計学会賞など多数の賞を受賞する気鋭のアーティスト。建築と陶芸、デジタルとアナログ、内と外、人工と自然、混こん沌とんと秩序。常に物事の「境界」について思いをめぐらせ、微妙な「あいだ」を探し続ける奈良氏の作品は、0と1ではなく、無限のグラデーションが広がっていく。

日本の文化や自然から学び、伝統的な陶芸を革新的な領域と融合させる“Hybridizing(異種交配)”を制作スタイルとする奈良氏の作品が、伝統を内包しながら常に変化を求めるポルトローナ・フラウの世界と共鳴し、新たなる魅力を放つ。今回は、奈良氏の作品の専用展示台を奈良氏自身がデザイン、ポルトローナ・フラウが制作し、作品と展示台が限定販売される。他では見られない特別なコラボレーションを、自宅に取り入れることも可能となるのだ。

イベントではぜひ、ポルトローナ・フラウの家具が生み出す空間の美しさにも注目してほしい。たとえば、ビートルズに捧げるオマージュとして誕生したソファ「Get Back」では、洗練された彫刻的なフォルムと、それと対比をなすような柔らかな座面と背もたれのクッション、宙に浮いているような印象の軽やかな脚のデザインのすべてが、リビングでくつろぐひとときへのあらがいがたい魅力となる。そこに手で触れ、身を委ねてみることで、初めてポルトローナ・フラウが歩んできた伝統と革新の意味を理解することになるだろう。

常に研究と革新を怠らず、世界最高の先端技術である「手の知性」を用い、後世に残すものづくりをすること。伝統から着想を得たうえで、未来を見据えて本質的かつエレガントなオブジェクトを制作すること。妥協のない姿勢や遊び心、異分野へのリスペクトも含めて、ポルトローナ・フラウの独自の存在価値が作品の一つひとつに宿されている。

ポルトローナ・フラウの家具に触れたい人も、奈良祐希氏の世界に浸りたい人も。二つのまったく異なる感性が混ざり合い、刺激し合って生み出される超越的なコラボレーションを、この特別イベントでぜひ目の当たりにしてほしい。

  • 美しき共鳴、ポルトローナ・フラウ X 奈良祐希 美しき共鳴、ポルトローナ・フラウ X 奈良祐希
    2022年に金沢21世紀美術館で開催されたコレクション展「うつわ」での奈良氏によるインスタレーション「Frozen Flowers」。©Kioku Keizo
  • 美しき共鳴、ポルトローナ・フラウ X 奈良祐希 美しき共鳴、ポルトローナ・フラウ X 奈良祐希
    自然の陰影や太古の生命リズムの波形を、エネルギーに満ちた炎として表現した「Bone Flower」シリーズの作品。
  • 美しき共鳴、ポルトローナ・フラウ X 奈良祐希
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美しき共鳴、ポルトローナ・フラウ X 奈良祐希
奈良祐希 なら・ゆうき 陶芸家・建築家
1989年、石川県生まれ。2013年、東京藝術大学美術学部建築科卒業。16年、多治見市陶磁器意匠研究所卒業。17年、東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻首席卒業。21年より建築デザイン事務所EARTHEN主宰。建築と陶芸の融合を目指した代表作〈Bone Flower〉が金沢21世紀美術館、大林コレクション等に永久収蔵されている。建築分野では23年にAACA賞芦原義信新人賞を史上最年少で受賞し、24年には日本建築設計学会賞、グッドデザイン賞、日本空間デザイン賞銀賞、いしかわ景観賞、金沢都市美文化賞等を相次いで受賞。建築の分野においても才能を発揮している。

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Poltrona Frau×奈良祐希

ポルトローナ・フラウと陶芸家・建築家として活躍する奈良祐希氏がコラボレーションした限定モデルの特別イベントが開催される。奈良氏がデザインした専用展示台をポルトローナ・フラウが制作。作品および展示台は世界7カ国で数量限定販売され、日本では5セット限定で展示販売予定だ。手に入れるのに3年待ちとも言われる奈良氏の作品を見られる貴重な機会となっているので、ぜひ足を運んでみてほしい。当日は奈良氏を迎えたトークイベントも実施。展示販売は2月13日以降も東京と大阪で開催される。

開催日時●2月13日(木)受付18:30~/開始19:00
開催場所●ポルトローナ・フラウ東京⻘⼭ 東京都港区南⻘⼭5-2-13
応募人数●10組20名様
応募方法●応募ボタンからお申込みください。
応募締め切り●1月31日(金)
問い合わせ●ナイルスナイルデスク info@nileport.com

会期●ポルトローナ・フラウ東京⻘⼭ 2月14日(金)~3月2日(日)
ポルトローナ・フラウ大阪   3月1日(土)~3月16日(日)

●ポルトローナ・フラウ東京⻘⼭
TEL 03-3400-4321

※『Nile’s NILE』2025年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

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