20世紀末まで、マカオは中国大陸に続く半島とその南に浮かぶ二つの島から成り立っていた。その二つの島であるタイパ島とコロアン島の間を埋め建て、カジノがひしめく東洋のラスガスと称されるコタイ(二つの島の頭文字をとって命名された)地区が生まれた。
昼夜きらめく奇想天外な建築が未来都市のようなコタイに比べ、半島側は雑然とした中国の下町の活気と、ポルトガル統治時代の風情を残す建物が共存している。後者はその広場や教会などがマカオ歴史市街地区としてユネスコの世界遺産に登録されている。
その半島先端の水辺に姿を変えて2010年に開業したマンダリン オリエンタル マカオ。かつてはその少し裏手にクラシックな低層のホテルとして運営されていた。現在は、天を突くようなシャープなデザインの高層建築となって、半島のランドマークのようにそびえる。
客室からもマカオの埋め立て開発で生まれた南湾湖越しに、マカオ・タワー、南シナ海、そしてタイパ島のパノラマが望める。スイート26室を含む、ゆったりとした造りの客室213室は、コンテンポラリーなインテリアで、上質のリネンやアメニティーを用意。テレビや浴室などの諸設備には最新のハイテク機能が導入されている。