アロハシャツは、畑の作業着として生まれた。着古した和服をほどき、暑さにも耐える動きやすいシャツとしてリメークしたのだ。やがて、特有の和柄や神戸シルク、京友禅などの上質な素材に着目した仕立屋が商品化したものが、今に続くアロハシャツのルーツだ。時代と共にハンドメードは機械生産となり、多くのメーカーが登場。素材はレーヨン、木綿、ポリエステルと移り変わるが、単なるファッションだけにとどまらず、アロハシャツはハワイの正装になるほど、文化の象徴として深く根付いている。
アロハシャツには、花、樹木、果物、人物、和柄など、さまざまな模様があるので、自分の好みに合わせて個性をアピールできる。1980年創業の「ベイリーズ アンティーク&アロハシャツ」には、1万5000枚以上のアロハシャツがあり、ビンテージやコレクターズアイテムも多数そろうので、お気に入りの1枚を見つけられるだろう。
また、ハワイ最古のアロハシャツメーカーとして知られるのが、1953年創業の「イオラニ」。男女ともドレスアップラインを重視し、スモールサイズやスリムフィットモデルを手掛けるなど、“現代アロハ”をリードしてきたが、2021年にアパレルビジネスを終了。これからはハワイのスモールビジネスをサポートするという。こうしてアロハスピリットは受け継がれていくのだろう。
※『Nile’s NILE』2024年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています