かわいらしい緑色の扉を押せば、まず右手に見えるのは巨大なオーディオセット。重低音専用据置型スピーカーボックスの上に、左右のバレンシアボックススピーカー、ウッドホーン。自作の音響システムでジャズ通の客を迎えるのは、マスターの吉田昌弘氏だ。文京区白山。現在は薬師坂の途中、白山神社の参道入り口近くで「JAZZ & somethin’else 喫茶 映画館」の看板を掲げるが、開業当時は坂の下に店を構えていた。
1978年の開業時、吉田氏は映画の助監督の仕事をしていた。そのため店も映画色が強く、当時は店名も「喫茶 映画館」。その後、82年の移転を機にジャズ喫茶として方針を定め、本格的な機器を導入した。生の演奏に近い音を追求し、機材は現在もアップデートを重ねている。