「登記までに3年を要して、協会を設立できたのは15年。かき氷のすばらしさを守り、国内外に広げると同時に、氷業界やかき氷専門店などの横のつながりを深め、業界全体の健全な成長を支えていきたいと思っています。
残念ながらかき氷屋さんって、わりと簡単に始められるせいもあるのかもしれませんが、わたしのところに、『機械が壊れた』『氷の仕入れ先が倒産した』『天然氷はどこで買えるのか』など、さまざまな質問が寄せられます。
協会にはそういう相談事の受け皿になって、営業面・衛生面をサポートする役割もあります。今後は業界のレベルアップのためにも、定期的に勉強会を行う必要がありそうです」
かき氷が通年のスイーツになりつつある今、小池さんの挑戦はこれからが本番だ。すべては愛してやまないかき氷の業界を盛り上げるために。
小池隆介 こいけ・りゅうすけ
日本中のかき氷を食べ歩き、取材するうちに、かき氷業界に精通。イベントの主催やガイド本の出版などを通して、日本古来の食文化であり伝統食でもあるかき氷の魅力を国内外に伝える活動に取り組む。2015年、一般社団法人日本かき氷協会を設立。20年には著書『日本の美しいかき氷』がグルマン世界料理本大賞・アイスクリーム部門グランプリを受賞。