「もしフランク・ロイド・ライトが現代の日本で住宅を設計したら……」

帝国ホテルの設計により日本でもよく知られるアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライト。彼の理念を正当に継承し、世代を超えて住み継がれる家を全国で展開する住宅ブランドがあるのをご存じだろうか。日本で唯一、フランク・ロイド・ライト財団から認定されている「オーガニックハウス®」の魅力を、ぜひ感じてもらいたい。

Text Asuka Kobata

帝国ホテルの設計により日本でもよく知られるアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライト。彼の理念を正当に継承し、世代を超えて住み継がれる家を全国で展開する住宅ブランドがあるのをご存じだろうか。日本で唯一、フランク・ロイド・ライト財団から認定されている「オーガニックハウス®」の魅力を、ぜひ感じてもらいたい。

フランク・ロイド・ライト
“近代建築の世界三大巨匠”の一人であるアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライト。帝国ホテル新館の設計を依頼されたことをきっかけにたびたび日本を訪れ、日本に多大な影響を残した。大規模な公共建築だけでなく、住宅の設計を特に大切にした建築家で、自然界に存在する生物のように、周囲の環境、街並みに溶け込む普遍的なデザインを創造。100年ほど前に手掛けた住宅がアメリカで今も大切に住み継がれている。
© F.L Wright Foundation, all right reserved

良い建築とは本来、愛着を持って使い続けることで味わいが増し、美しくなっていくものだ。欧米ではその考え方が浸透しており、築年数を経た住まいにメンテナンスを加えながら、世代を超えて住み継がれている家も多くある。
しかし日本においては、住まいは新しいほど価値が高いと考えられ、スクラップ&ビルドを繰り返してきた。世代ごとに住まいを購入するため、いつまでも住宅ローンを抱えることになり、暮らしはなかなか豊かにならないのが現状だ。

タリアセン・ウエスト
アメリカ・アリゾナ州のスコッツデールにある「タリアセン・ウエスト」。ライトの自邸兼スタジオ、そして弟子たちが建築を学ぶ学校として設計された建物で、現在もフランク・ロイド・ライト財団の拠点のひとつとしてその機能を果たしている。このタリアセン・ウエストを含む8つの建築作品が「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」として世界遺産に登録されている。© Judith Bromley,2004,all rights reserved

そんな中、日本の暮らしをより豊かにしたいとの思いから、約20年前に生まれたのが、日本オーガニックアーキテクチャーが運営する住宅ブランドである「オーガニックハウス®」だ。

同ブランドは、アメリカの建築家、フランク・ロイド・ライトが100年ほど前に手掛けた住まいが、どれもいまだにモダンで美しく、愛され続けていることに注目し、「もし、ライトが現代の日本で住宅を設計したら……」という視点でプロジェクトをスタート。ライトの建築物を保護し、後世に伝える活動を行っているフランク・ロイド・ライト財団とライセンス契約を結び、ライトの愛弟子を始め、その系譜を受け継ぐ建築家たちから直接指導を受け、彼が生涯をかけて提唱した「有機的建築」、その普遍的な理念を追求しながら、同時に最新のテクノロジーを用いて日本のライフスタイルに合う住まいを完成させる。現在、ライトの理念に沿ってゼロから住宅を作ることができるライセンスは、世界で唯一、日本のオーガニックハウス®だけの特別なものとなっている。

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。