アルフレックスジャパンが設立されたのは1969年。
代表取締役社長の保科卓氏の父である先代の保科正氏(現顧問)が、イタリアのアルフレックス社で家具づくりを学び、日本での販売権とオリジナルデザインの製造権を持って帰国した、その時を起点とする。
「父は仕事で世界を回るうちにヨーロッパ、とくにイタリアの人たちの豊かな暮らしぶりを見て、ライフスタイルに関わる仕事をしたいと思ったそうです。その延長線上で出合ったのが家具づくり。自宅にもアルフレックスの家具をそろえ、おかげで私も幼いころから洋風のモダンな暮らしになじみ、父の仕事に憧れていました」
そんな卓社長だから、家業を継いだのも自然な流れ。入社して30年、父子二人三脚で歳月を重ねてきた。
同社は創立間もなく、日本人のライフスタイルや感性に合うオリジナル製品の開発をスタート。1986年には「A・SOFA」という爆発的ヒット製品を誕生させるなど、大いに気を吐いた。しかしビジネスは山あり、谷あり。
「デザイナーである父は、『いい物をつくれば売れる』という信念の持ち主。そこは私も共感しますが、2000年ごろになると物があふれ返り、従来のプロダクトアウトの考え方だけでは立ち行かない。お客様に買っていただくための提案に軸足を置いたマーケットイン型の経営にシフトする必要があると、私は思いました。社外取締役の方々の支援もあり、新体制の経営も堅調に推移してきました」と卓社長は振り返る。会社にとって最大の危機は、バブル崩壊とリーマンショック。2011年には“どん底”にまで落ちたという。そこをどのように乗り越えてV字回復を果たしたのか。
「一番大きいのは、モルテーニとの出合いです。収納に強いこのブランドを導入したことにより、それまでソファを中心にリビングからダイニングまでを網羅したアルフレックスの領域に加え、システム収納を取り入れたワードローブを展開する体制が整いました。しかも昨年は、モルテーニグループのダーダの取り扱いを開始し、カテゴリーをキッチンにまで拡張できました」
こうして50年かけてキッチンを含むトータルなインテリア提案ができるまでに大きく成長したアルフレックスジャパンは、次の半世紀をどうデザインしていくのか。テーマの一つは、家具が使われる場所の境界線を取り払う「beyond borders」という考え方だ。働き方改革を背景に、近頃はフリーアドレスのオフィス、あるいは共用スペースに住宅用の家具をしつらえ、「くつろぎの空間」に仕立てる会社が増えてきた。そんな動きに対応し、オフィスなどの非住宅マーケットへの取り組みにも展開を広げている。
「あとは新規事業として、シニア層の住み替えに伴う家具の買い替え並びに下取り家具のリユース販売に挑戦したい」と卓社長はますます意欲的。氏の視線はいつの時代も常に、日本人の豊かさを支える「家具のある暮らし」を見据えている。
●アルフレックスジャパン 0120-33-1951
※『Nile’s NILE』2019年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています