自分だけの上質な ベッドリネン

最高級の素材にこだわり、イタリアの伝統ある手法を守りながらハンドメイドで丁寧に仕立てられるインテリアファブリック。シンプルな中に高級感が光るC&Cミラノの製品は、本物を求める多くの人々に愛されている。歴史に裏付けされたそのポリシーを、ブランド設立者でCEOでもあるエマヌエレ・カステリーニ氏にうかがった。

Photo TONY TANIUCHI Text Asuka Kobata

最高級の素材にこだわり、イタリアの伝統ある手法を守りながらハンドメイドで丁寧に仕立てられるインテリアファブリック。シンプルな中に高級感が光るC&Cミラノの製品は、本物を求める多くの人々に愛されている。歴史に裏付けされたそのポリシーを、ブランド設立者でCEOでもあるエマヌエレ・カステリーニ氏にうかがった。

エマヌエレ・カステリーニ
エマヌエレ・カステリーニ
1950年、イタリア・ミラノ生まれ。大学では経済学を学び、1972年に卒業。卒業前の1970年から、カステリーニ家が営むファブリックカンパニーで働き始める。当初は有名なファッションデザイナーとファブリッックを開発することに力を入れていた。乗馬が趣味で熟練した技術を持ち、ブランドロゴの「C」は馬蹄のかたちにデザインしている。

とろりとなめらかなリネンやさらっと気持ちの良いコットン、美しく輝くシルクに驚くほど軽やかなカシミヤ……。イタリア・ミラノを拠点とするファブリックブランド、C&Cミラノの製品は、素材の魅力が最大限に感じられる上質なものばかり。触れると柔らかく肌になじみ、自然と力が抜けるような心地良さが感じられるだろう。

「私たちは小さなファミリーカンパニーであり、古くからリネンやヘンプといった天然素材にこだわったものづくりを続けてきました」と話すのは、CEOのエマヌエレ・カステリーニ氏。C&Cミラノの前身は、1851年にカステリーニ家が創業した紡績工場で、時代の移り変わりとともに紡績からテキスタイルデザインへと業態を進化させながら、品質の良いファブリックを生み出してきた。その伝統を引き継いだエマヌエレ氏は、いとこである建築家のピエロ・カステリーニ氏とともに1997年から同ブランドをスタート。紡績や織りはもちろん、裁断や縫製まで自社で一貫して行い、イタリアの伝統的な手法を守りながらハンドメイドで製造し続けている。

「私たちのファブリックは素材の良さをシンプルに表現しています。リネンは北フランス・フランドル地方の繊維の長い原料を使うなど、常に最高級の素材を厳選。デザインを施して飾るのではなく、素材の良さを引き出すことで高級感を表現するのです。シンプルが最も難しいのですが、糸を丁寧に加工して色味やテクスチュアなどを一つひとつ細かく調整することで、さまざまな表情のファブリックを生み出しています」

素材の上質感もさることながら、さらに驚かされるのは、さまざまなカスタマイズに応える自由度の高さ。

特にベッドリネンを得意とし、素材や色、織り、さらにはイニシャル刺繍などを自由に組み合わせて自分のベッドにぴったりのシーツやブランケットをオーダーできる。ベッドまわりのコーディネートがここまでフレキシブルなファブリックブランドは他にはないのではないだろうか。

もちろん、カーテンやクッション、テーブルリネン、バスタオルなどもすべて自由にカスタマイズでき、トータルコーディネートが楽しめる。

「ブランド設立当時はインテリアの他にファッション分野のファブリックも展開していました。ファッション界では半年ごとに新たなコレクションを発表するため、ファブリックもスピーディーに開発しました。その経験で大きく成長することができ、今でもさまざまな要望にフレキシブルに応えることができるのです」

心地良い場所をつくるためのマテリアルとも言えるC&Cミラノのファブリック。シンプルに仕立てられたナチュラルな素材があたたかくリラックスした雰囲気を作り出し、毎日の暮らしを豊かに彩ってくれるだろう。歴史や伝統に裏付けされた極上のクオリティーを、ぜひ住まいに取り入れてほしい。

●トミタ
TEL 03-5798-7481

※『Nile’s NILE』2019年9月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

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