「あまり欲しがる人のない土地をあえて購入し、そのデメリットを大きなメリットに変換して付加価値の高い収益物件を開発する」のが、いわば“ハステック・マジック”。もちろん、タネも仕掛けもある。一言で言えば、同社の持つ比類なき「企画力」である。なにしろ「土地を購入した時点でもう投資家の買い手がつき、販売物件の在庫がゼロ」というのだから、信用度は折り紙付き。投資家たちに「ハステックが手掛けた物件なら10年、20年後も魅力があせることなく、高利回りが期待できる」と高く評価されているわけだ。
「例えば旗竿地(はたざおち)と呼ばれる土地は、接道が狭いために共同住宅の建設が難しいと言われています。けれども長屋というテラスハウスタイプのアパートなら建てられます。一般的なアパートは各玄関までの動線確保のため、外の階段が必要ですが、弊社のアパートは、共用部分が通路だけと少ない分、有効利用できるスペースが大きいのです。階段は各戸の専用で、玄関周りを広めに取れます。加えて、木造にすることによって、建築コストや工期を抑えながら、土地の特性に合わせて、住みやすさを重視して細かく設計できます。私たちのアパートはどれ一つとして、同じ物件はないのです。投資物件は大半が規格住宅ですが、それでは魅力的な物件にはなりませんから」と田島太郎代表取締役。もともと設計士でもあり、建物へのこだわりは強い。
物件で特徴的なことの一つは、モダンな外観に、多彩なタイプの部屋をゾーニングしている点にある。例えば木造3階建て長屋住宅の場合、一般的な重層の建物と連棟式長屋住宅の二つの考え方をミックス。平面方向で20㎡のユニットに分け、断面方向より3フロアを1階フロアと2・3階フロアの二つに分けて、1階に1K、2・3階にメゾネットタイプの1LDKを配置する。それにより「1K+1LDK」を1ユニットとする連棟式長屋をデザインすることが可能になる。
「1K等の単身者用の部屋は入退出が頻繁で、収益性が不安定になりやすいのが現状です。オーナー様は、入居者の方にはできるだけ長く住んでいただきたいと考えます。そこを考慮して、家族仕様の広い部屋を中心に設計しています。私たちがモットーとするのは、長く住み続ける入居者が多い、10年、20年後も住みたい人がいる、そんな機能を備えた物件を開発すること。その機能が結果的に空室リスクを減らし、安定して高い収益を上げることにつながると確信しています。と同時に、『まず物件ありき』という考え方が不動産投資業界の基準になるよう、革命を起こしたいと気負っています」
ハステックの物件を入手するのは困難なのが現状だが、このほど「クラブ・ハステック」という会を立ち上げた。物件情報をいち早く、仲介業者を挟まずに直に投資家に届けることが目的だ。今後は実りある不動産投資の舞台として機能し、ますます“ハステック・ファン”の輪が広がっていくことが期待される。
※『Nile’s NILE』2018年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています