大きな窓のある空間は当然のことながら気持ちがいい。外の景色が眺められ、もちろん陽光もたっぷりと入り開放感を満喫できる。ヨーロッパのホテルやレストラン、カフェなどで感じるラグジュアリーな心地。大きな開口部がもたらす光と風ほど贅沢なものはない。
こうした大きな窓を可能にするのは、PVCサッシである。ヨーロッパでは60%を超える普及率で、もはやスタンダード。機能面も優れており、例えば住宅性能基準が厳しいことで知られるドイツでは窓にも断熱最低基準があって、日本の基準とはだいぶ差がある。断熱性能を示す熱貫流率(数値が低いほど、高性能)で見ると、日本では2・33以下を最高性能と位置づけているのに対し、ドイツでは1・3以下でないと住宅に取り付けることができない。つまり、大きな窓が欲しいなら、断熱性能の高いドイツ製のPVCサッシを手に入れるのが早道である。
独自技術で高い性能を実現したドイツ生まれの窓システム
PVCサッシの魅力は何と言っても高い断熱性能にある。断熱性が高いと結露が生じにくいため、カビやダニを防ぐこともできる。ドイツの窓システムメーカー、KÖMMERING(コマリング)は、PVCサッシの先駆的存在といえるかもしれない。1897年創立、窓枠の製造では50年以上の歴史を持つメーカーだ。
コマリングの窓の断熱性の高さは独自技術によるもの。窓を支えるケースメントを見ればわかるが、内部が細かく入り組んでミツバチの巣のようになっている。入り組んでできた小さなスペースに断熱材やスチールを入れて性能を高めている。コマリングの輸入販売元「日本レジデンス・コンポーネント」の担当者は、「コマリングの技術は簡単にまねができるものではなく、何十年にもわたる開発や研究の成果」と太鼓判を押す。そして、他にはない強度も大きな特徴だという。さらに、高いデザイン性とユザービリティーもプラスされる。窓枠の色は100種類以上をラインアップし、開閉スタイルのバリエーションもある。GlassWin System(グラスウィンシステム)は、独自の接着技術によりさらなる可能性を広げるものだ。例えば一つの窓に2種類の開閉スタイルを造ることができ、上半分を上下の半開きにしながら、下半分は横にスライドさせフルオープンができるようになる。強度も高いので、スリムな窓枠が可能になり、それによりガラス部分を広く取ることができる。
独自のスライディングシステムも特筆すべきポイントである。天井から床まで届くような大きな窓を自在に開閉できるのは、このシステムがあるからだ。大きな窓になると重さもあり、指を挟む危険もあるが、閉まりきる前にいったん止まって、その後にもう一度閉まるセイフティーシステムを導入している。さらに、防音性も高く、50dBの遮音率を誇る。車の多い幹線道路やにぎやかな繁華街であっても、窓の防音性能により静かな環境を保つことができる。コマリングの窓を取り付けると、立地の選択肢が格段に増えるといえる。
玄関ドアやキッチンにも機能美が魅力のPVCプロダクト
輸入販売元の日本レジデンス・コンポーネントは、コマリングのシステムを輸入し、組み立ては日本の工場で行っている。カラーはもちろん、細かな要望に応えるカスタムメード。ガラス面には特殊金属膜(Low-E)を施し遮熱にも対応させ、日本の夏に備える。各地方の気候・風土に合った窓システムを提供することができる。
窓と同じく熱の出入り口であり、住宅全体の断熱性能を高めるにあたり重要な玄関ドアも提供している。機能面は窓システムと同様で高断熱。色や表面のテクスチャーも選択肢があり、例えばガラスと組み合わせたドアもある。侵入防止性能も優れたものが搭載されている。
さらに、コマリングのPVCを使ったキッチンも展開される。面材をPVCにすると、カラーやデザインが自在になり、面材だけを取り替えることもできるという。ワンルームなどの狭い空間でもデザイン性の高いキッチンを置けば、インテリアの主役になりうるのではないか。ライフスタイルに合わせて、気軽に変更できるところも魅力の一つである。
唯一無二のデザイン、そして快適な空間を実現するコマリングのPVCプロダクト。エコで健康的なパッシブデザインの住まいに欠かせない存在かもしれない。
※輸入販売元「日本レジデンス・コンポーネント」以外で販売されている、プロファイン社のPVCウインドー(コマリング、トロカル、KBE)の製品につきましては、製品保証・性能保証含めメンテナンスについても対応しておりません。
※『Nile’s NILE』2017年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています