「主食は心身の健康の基本を作る」という信念のもとに、酵素玄米研究家の吉田美香子さんと超高圧力炊飯器エンジニアの畔栁幹也さんが、15年以上の研究と試行錯誤を経て完成した、酵素玄米のための炊飯器。それだけに特化したメーカー「酵素玄米Labo」として、物づくりの地盤が強い愛知県で創業、徹底した品質管理と細やかなアフターサービス(修理は最短1日で)を誇る。
栄養価の高いことで知られる酵素玄米だが、従来はおいしく炊くにはかなりの手間がかかった。それがこの炊飯器の登場で、「もっと手軽に、もっとおいしく」日々の食事に活用できるように。玄米を浸漬させる必要もなく、そのまま小豆と塩と一緒に高温高圧で炊き上げる。従来は炊き上がってから柔らかく熟成させるために、専用の保温ジャーで3日ほど保温しなければならなかったが、この炊飯器では1時間ほどで炊き上がり、すぐに食べることも可能なのだ。
そのまま保温すれば丸1日ほどで熟成され、一段と風味も増し、ふっくらもちもち感も持続。特許も取得した、熟成保温機能ならではの技術だ。また、保温機能を応用した低温仕込みモードで、パン、塩こうじ、ヨーグルト、甘酒など最近健康食として注目されている発酵食品も手軽に作れる。料理の下ごしらえとしての低温調理機能も便利でうれしい。
「二十数年前に酵素玄米に出合い、体調が大きく改善しました。が、炊くのに大変手間がかかり持続することが難しく、なんとか現代のライフスタイルに合った酵素玄米専用の炊飯器が作れないものかと……」
大手家電メーカーに持ち掛けても相手にされなかったが、2008年に名古屋にある家電メーカーのエンジニアであった畔栁さんと繋がり、2009年にプロトタイプが出来上がった。思いがけないことに、予約の段階で完売。数年かけてさらに機能アップした「酵素玄米プロ2」が完成する。
この成功で、2016年には吉田さんと畔栁さん二人で「酵素玄米Labo」社を設立。新たな3機種目として、完成度を極めた現在の酵素玄米炊飯器「Labo炊飯器」を生み出した。
「ロケットが宇宙に行くのだから、炊飯器ももっと進化できるはず!と、技術オンチゆえに無理が言えました。今思えば奇跡の産物です」
そんな吉田さんの熱意に、エンジニアの畔栁さんも今では酵素玄米を主食にした健康生活を送るようになったとか。
「生物としてのセンサーがよみがえり、味覚が磨かれ……添加物などにも敏感に。酵素玄米とお味噌汁にお漬物といったシンプル極まりない食事も、滋養と風味豊かな食事として、心身ともに高い満足度を与えてくれます」
酵素玄米Labo社の所在地でもある、三河湾の白浜に面した酵素玄米専門カフェは、酵素玄米ごはんが堪能できるアンテナ・ショップを併設している。ワークショップなども開かれ、酵素玄米生活のサポートも充実。新しい時代のより健やかな食生活が、小さなメーカーの小さな炊飯器から生み出されている。
●酵素玄米Labo
TEL 0563-62-2606
※『Nile’s NILE』2021年10月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています