白を基調として壁面のアーチやモールディングといったディテールが印象的なリビング。ピュアなホワイトに包まれた空間に色を与えるのは、家具やアート、ファブリックなど様々なマテリアルだ。三井ホームが提案する新たなスタイルコレクション「モダンロココスタイル」。クラシック一辺倒になりがちなロココ様式にモダンな要素をプラスして、穏やかな空間を創出する。アートや花がさりげなく溶け込み調和する、アートコンシャスな空間でもある。醸し出される華やかな雰囲気、そして非日常感がもてなしの場にふさわしい。
このスタイルコレクションの舞台となるのは、フレンチスタイルの「ヴァンス」。マティスやシャガールの作品が日常の中にある、南仏の小さな村・ヴァンスの街のイメージを纏(まと)った商品である。急勾配の三角屋根やアーチを生かしたディテールが美しく、佇(たたず)まいそのものがアート。迎賓にふさわしいデザインがそこかしこにある。
家はリラックスして休息するプライベートな空間だが、自宅でサロンや教室を開く人にとっては、人を招きもてなすことができるパブリックなスペースも必要だ。ヴァンスには、リビング・ダイニングとは別にアトリエサロンがあり、エントランスからダイレクトにアプローチできる動線を設けている。さらにゲスト用のパウダールームとクロークも用意する。2階はプライベート空間としての使用が想定され、使い勝手を考慮しつつ、誰もが居心地の良さを感じることができる空間を造っている。それは17世紀ヨーロッパで生まれた「サロン」を彷彿(ほうふつ)とさせる美しいしつらえ。本物の素材やディテールが醸す重厚感の中に描かれるからこそ、白の中にプラスされた色がエレガントに輝き出す。芸術や文化を堪能する社交の場にふさわしいデザインが、現代のサロネーゼたちを包み込む。
今回のスタイルでは、イギリスのマルチアーティスト、キャロリン・クォーターメインとのコラボレーションで、ファブリックによるアートコンシャスな空間も提案。名だたるハイファッションのクライアントを持ち、世界のセレブから支持されるキャロリンのファブリックがタペストリーのように飾られている。鮮やかな色彩のシルクやリネンに、花やカリグラフィーを大胆にプリントしてクラシックとモダンを融合させたスタイルは、南仏を彷彿とさせる軽やかさがある。ファブリックのカラーと合わせた猫脚のチェアがマッチする。
プレミアム感のあるこうしたスタイルは、オーダーメードによる家づくりをしてきた三井ホームならではの提案といえる。強さと居住性の高さを実現する独自の構法や技術、健康的な暮らしを支えるテクノロジー。そして40年の長い経験とノウハウに裏打ちされる安心と快適の中に描かれるからこそ価値がある。
モダンロココスタイルで造る上質で豊かな暮らし。個性と感性が響き合う美しい家は、暮らし継がれていくことでさらなる輝きを放つのではないか。人に、街に愛され続ける理由である。
※『Nile’s NILE』2016年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています