服をはじめ靴や鞄(かばん)、アクセサリーなど、毎日身につけるものをしまっておくクローゼット。日本ではバックヤードという印象が強いが、アメリカでは住まいのなかでも特に大切な場所としてプランされることが多い。持ち物を生活動線上に的確にしまうことで無駄がなくなり、日々の暮らしにリズムが生まれるという。
このような日本とアメリカの捉え方の違いに着目し、新たな収納の在り方を提案しているのが、輸入建材を中心に取り扱うハウディーだ。同社は木製ドアや木製サッシ、フローリング、キッチン、収納といった住まいに必要なさまざまな建材を主にアメリカから輸入・販売。国内にストックヤードを持つことで在庫を確保し納期を短縮している。同時に木をふんだんに使ったアメリカのインテリアをデザインベースとし、自社工場やアジア各国の提携工場でオリジナル建材の製作も手掛けている。
そんななかでも今回特に注目したいのが同社独自の収納システム「ウィッシュポート」。身の回りのものを美しく飾るように配し、かつ、取り出しやすく整理できるシステムだ。自分らしさが凝縮した「魅せる収納」を設けることができれば、日々のルーチンもスムーズで楽しいものになり、より心地よい暮らしが実現するだろう。
この収納システムは二つのシリーズで構成されており、一つは4サイズのボックスを組み合わせ、さらに内蔵するアクセサリーや扉を選ぶ「アーバン」シリーズ。もう一つは幅、奥行き、高さをより細かく設定でき、扉のデザインやカラーも豊富な「アドバンス」シリーズだ。それぞれサイズやレイアウトは一人ひとりの要望に応じて決定する。持ち物の量や大切にしているものなどをヒアリングしたうえで、何を見せるか、どのようにしまうと使いやすいかなど、一緒に考えるところからスタートしてくれるので安心だ。
そして、アドバンスでは、美しく実用的な収納家具に定評があるアメリカの家具メーカー、キャニオンクリークキャビネットカンパニーに製作をオーダー。トラディショナルな味わい深い収納家具は住まいのどこに置いても遜色なく、落ち着いた存在感を備えている。さらに内蔵するアクセサリーはアメリカのハードウェアメーカーのものが中心。たとえば、引き出しの中にいくつもバーが並ぶ「パンツ&ネクタイラック」や、ハンガーをかけるバーを高い位置から下ろして取り出しやすくする「プルダウンクローゼットロッド」など、日本ではあまりみかけないユニークなものも多い。
大切なものだからと押し入れの奥にしまっていたら結局は使わなかった……という経験がある人は数多いと思われる。住まいの主役となるような「魅せる収納」を実現すれば、身の回りのものが淘汰(とうた)され、一つひとつがこれまで以上に生きてくるだろう。自分だけの宝物が並ぶ、とっておきのスペース。そんな新たな発想で、収納を計画してみてはいかがだろうか。
※『Nile’s NILE』2018年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています