今年のバレンタインは、チョコレートのみならず、ウイスキーと組み合わせて贈ってみてはいかがだろう? ウイスキーの苦みや甘み、芳醇な香りと、チョコレートの油脂分や糖分と相性が良いのはもちろんのこと、それぞれ特徴のあるウイスキーの味わいと、チョコレートのフレーバーをペアリングさせてみるというのは新しいおしゃれな試みだ。ここでは、スコットランド・スカイ島に位置する蒸留所のシングルモルト「タリスカー」のラインアップと、日本におけるウイスキーの元祖である「オールドパー」のラインアップと、ベストマッチのチョコレートの例を紹介しよう。
1830年、スカイ島にある荒涼とした大地の海沿いに立つタリスカーの蒸留所では、その昔海の底にあったピートを燃やして大麦麦芽に香り付けするのが特徴だ。その手法が最も前面に出ている「タリスカー 10年」は、海のような潮の風味と黒胡椒を思わせるスパイシーさが感じられる。合わせるチョコレートは塩チョコレートがベストだ。潮の風味とチョコレートの塩味が見事に溶け合う。次の「タリスカー ストーム」は、スカイ島の嵐を体現するためにさまざまな熟成年数の樽を選び抜きバッティングした、よりスムースな1本。同じタリスカーでもまったく異なる魅力を持つ。バニラやココナッツなど甘みも多く感じることからミルクチョコレートとの相性が良い。3本目は「タリスカー ポートリー」。「タリスカー 10年」をベースに、通常通りバーボン樽で熟成させた後に、最後ポルト酒の樽で追熟させる。ベリー系の香りも感じられ、ヘーゼルナッツチョコレートととてもよく合う。ポートワインのタンニンが、コクのあるヘーゼルナッツの風味を引き立ててくれるのだ。かなりまろやかだが、そのままストレートで飲むと、タリスカーの骨格である、塩とペッパーの風味も十分に感じられる。
オールドパーは1871年にロンドンで設立されたグリンリースブラザーズ社によって誕生した。その歴史はそれほど古くはないが、実は、日本に最初に入ってきたスコッチウイスキーなのである。岩倉具視が愛飲していたというのだから驚くではないか。以来、政治家に愛され続けてきたそうだ。基本となる「オールドパー 12年」は、まさに“ザ・ウイスキー”というバランスの取れた味わいだ。デリケートでなめらかな甘みには、キリッとしたハイカカオのチョコレートがよく合う。甘いものだと、そのデリケートなバランスが崩れてしまい、もったいない。次の「オールドパー シルバー」は、日本のために開発されたブレンドだという。マイナス6度でフィルタリングすることで驚くほどまろやかになり、ミルクチョコレートが完璧なペアリングを見せてくれる。その次の「オールドパー 18年」はストレートかロックで飲みたい濃厚なバランスの良さが魅力だ。粘度が上がり、口にまとわりつくねっとりとした味わいは、チョコレート全般との相性がいいが、あえてベストを合わせるなら、ヘーゼルナッツのチョコレートだ。最後が「スーペリア」。ぐっと価格帯が上がり、スムースでソフトな口当たりが魅力だが、オールドパーらしい力強さも持ち合わせている。まさにブレンダーの腕の見せどころといった1本だ。柑橘系の香りもするので、ブラッドオレンジのチョコレートが絶妙だ。
このように個性豊かな7本。それぞれの味わいや風味、香りが異なるように、最適なチョコレートとのマリアージュも異なってくる。ぜひ、至高のペアリングを体感してもらいたい。円安により各ボトルの価格は上がり気味だが、依然ウイスキー人気は高い。チョコレートを添えることで、ギフトの価値は一層が高くなるはずだ。最上のペアリングで、至福の時を過ごしてもらおう。

