自分らしさを取り戻す一杯

忙しさに追われる現代社会を生きる中、自分らしさを見失わないために、一杯のコーヒーを片手に立ち止まってみるのはどうだろう。
上島珈琲店では、おいしいコーヒーと落ち着いた空間が、訪れる人に自分を見つめ直す上質な時間を届けてくれる。

Photo Nik van der Giesen Text Mizuki Ono

忙しさに追われる現代社会を生きる中、自分らしさを見失わないために、一杯のコーヒーを片手に立ち止まってみるのはどうだろう。
上島珈琲店では、おいしいコーヒーと落ち着いた空間が、訪れる人に自分を見つめ直す上質な時間を届けてくれる。

昭和から続く日本の喫茶文化を大切にしながら、日常に「上質なひととき」を提供する上島珈琲店。現代に生きる人々の多様な毎日に寄り添い、大切なことを思い出させてくれる。

現代社会は、とにかく忙しい。スマートフォンの通知が絶え間なく鳴り、次の予定に追われ、あふれかえる情報の取捨選択を迫られる毎日だ。そんな日々の中で、心からほっとひと息つく時間を、最近、取れているだろうか?たまにはおいしいコーヒーを片手に立ち止まり、深呼吸してみることも必要だろう。

10月にブランドアップデートを行い、さらなる発展を見せる上島珈琲店は、2003年、東京・神田神保町に1号店をオープンして以来、今年で22年目を迎えるコーヒーブランドだ。数あるカフェチェーンの中でも、日本の喫茶文化を大切に受け継ぎ、懐かしく温かな珈琲店として現代に進化させてきた。その姿勢は創業当初から変わらない。あらゆるものがファスト化していく時代にあっても、コーヒーの一杯一杯にこだわりを持ち、それをゆっくりと味わう時間の価値を守り続ける、貴重な存在である。

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    レトロと洗練を両立した虎ノ門店。イサム・ノグチの照明「AKARI」や、柳宗理の椅子「スタッキングチェア」など、家具にもこだわりが。
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    上島珈琲店の看板メニューであるミルク珈琲は、ダブルネルドリップ抽出。うまみが凝縮されたコーヒーに、たっぷりのミルクを加える。絶品である。
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たとえば、コーヒーの淹れ方一つにも、上島珈琲店ならではの美学が見られる。同店で提供しているのは、古くから日本の喫茶店で親しまれてきた“ネルドリップ抽出”によるコーヒーだ。ネルとは、布製のフィルターのこと。紙のフィルターを使うより手間がかかるものの、まったりとしたコクとやわらかな口当たりを生み出すという特徴がある。上島珈琲店では、素材や構造、縫製にまで目を配って自社開発した日本製のネルを使用。全店舗でこのネルドリップコーヒーを提供しているのだ。

さらに、その伝統的な抽出法を発展させたのが、同店独自手法の“ダブルネルドリップ抽出”だ。二重構造のフィルターで丁寧に抽出することでうまみを凝縮し、より深い味わいを実現。手間と技術、情熱の結晶で、最高の一杯を生み出している。もちろん、上島珈琲店の魅力は味だけではない。そのおもてなしの根底には、「一杯、一時、一生」というバリュー(行動指針)があるのだ。

他の誰もまねできない、上質な“一杯”を提供すること。慌ただしさを忘れ、落ち着いて過ごせる“一時”を作ること。そして、人の人生に寄り添い、豊かな“一生”のパートナーとなること。大切な人と語らい、あるいは一人静かに心を休め、文化を育む土壌としての喫茶店。かつて日本の純喫茶がそうであったように、そこにはゆったりとした時間の流れと、人と人をつなぐぬくもりが息づいている。

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    京都寺町店の中庭にはもみじの木が植えられている。静かな時間が流れる中で、特別なひとときを過ごすことができる。
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    それぞれの街ごと、店ごとに趣向を凝らして設計された内装は、どの店にも共通してぬくもりが息づく。写真は京都寺町店。
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上島珈琲店が上島珈琲店らしくあることを貫くブランドだからこそ、そこで過ごす時間は、自分自身を見つめ直す時間にもなる。自分は自分らしく生きられているだろうか。自分の信じる正しさに、情熱に、素直でいられているだろうか。その答えは、香り高くほろ苦い一杯の中に見つかるかもしれない。

忙しい日々の中で自分らしさを取り戻すために。まずは今日、少し足を延ばして、上島珈琲店を訪れてみてはいかがだろう。

※『Nile’sNILE』2025年12月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています。

ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
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