持続する「百年の輝跡」

銀座に中国名菜の館を構えて100周年を迎える銀座アスター。銀座に地歩を固めつつ、変貌する町とともに波瀾万丈の歴史を刻んできた。中央通りに本店を含む五つの店舗を展開する同社は、今や、「銀座のシンボル」的存在だ。時代の大きなうねりを、銀座アスターはいかに生き抜いたのか。創業以来守り続けている経営の「核心」と、機を見るに敏で事業に新風を吹き込む「革新」―。創業家3代目・矢谷郁社長が、過去から未来へと続く「銀座アスターの不易流行」を語る。

Photo Masahiro Goda  Text Junko Chiba

銀座に中国名菜の館を構えて100周年を迎える銀座アスター。銀座に地歩を固めつつ、変貌する町とともに波瀾万丈の歴史を刻んできた。中央通りに本店を含む五つの店舗を展開する同社は、今や、「銀座のシンボル」的存在だ。時代の大きなうねりを、銀座アスターはいかに生き抜いたのか。創業以来守り続けている経営の「核心」と、機を見るに敏で事業に新風を吹き込む「革新」―。創業家3代目・矢谷郁社長が、過去から未来へと続く「銀座アスターの不易流行」を語る。

銀座アスター 本店

  • 持続する「百年の輝跡」、銀座アスター 持続する「百年の輝跡」、銀座アスター
    本店オリジナル鮑となまこと牛肉の壺蒸し(満壜香(マンシャンタン))
    上湯に鶏モミジ・豚足などを加えて煮込んだ濃厚なスープに、活け鮑・なまこ・牛肉を入れて蒸し上げた料理。活け鮑はさまざまな調味料でじっくり味をしみ込ませ、なまこは大変な下処理を経て戻される。牛肉は一度ボイルされ、そこに味を入れる。炊き込むこと4~5時間。最高品質の具が融合して、スープに複雑にして深いうまみを出しながら、それぞれが個のうまみを主張する。滋味を感じる逸品だ。
  • 持続する「百年の輝跡」、銀座アスター 持続する「百年の輝跡」、銀座アスター
    吉切鮫の尾びれのステーキ(乾焼排翅)
    丸々1枚のフカヒレを、金華ハム・干し貝柱・鶏肉・豚肉などを煮出したアスター秘伝の極上上湯(シャンタン)であめ色になるまで煮詰めた料理。本店で長年受け継がれている逸品だ。一目でフカヒレの厚みに圧倒され、密集した繊維が描く美しいフォルムにうっとりする。また先の部分は口に入れた瞬間とろけるような柔さで、金色に輝く一本一本の繊維はかみ応え十分。1枚で異なる食感とスープがしみこんだ濃厚な味わいが堪能できる。
  • 持続する「百年の輝跡」、銀座アスター
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    軽部展章 かるべ・のぶあき
    1994年に調理職で入社。6店舗を経て2011年、調理長に就任した後、新業態店舗の調理長を務める。2023年に本店調理長に就任。同時に本部の企画担当としてメニュー開発などにも携わる。
  • 持続する「百年の輝跡」、銀座アスター 持続する「百年の輝跡」、銀座アスター
    本店地下1階にある貴賓室。お祝い事や大切なビジネスシーンなどの特別な日は個室でゆったりくつろぎたい。円卓なので、全員の顔が見えて、和やかな雰囲気のなか、食事も会話も進む。
  • 持続する「百年の輝跡」、銀座アスター
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●銀座アスター 本店
東京都中央区銀座1-8-16 GINZA ASTER BLD.
TEL 03-3563-1011

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「Nileport」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。