京都東山地区で平家の昔より800年の歴史を持つ池泉回遊式庭園「積翠園」に抱かれるようにして立つ「フォーシーズンズホテル京都」。妙法院の一角に8年前に新築された伝統とモダンな感性が調和する、言わずと知れたラグジュアリーホテルだ。景観地区に位置し、世界遺産に認定されている清水寺よりも高い建物は建設不可。よって、5階建てという低層階のホテルが、今どきの都市型のラグジュアリーホテルとの一番の違いであろう。どの部屋もテラスに出られ、風の流れ、木々のざわめきを感じることができ、自然との一体感は格別のものがある。
レストランはメインのダイニングが寿司レストランとモダンステーキハウスの二つ。そのほかに、ラウンジ&バー、池のほとりに立つ離れのティーハウスラウンジの四つだ。なかでも寿司レストランが、この10月から「鮨 銀座おのでら フォーシーズンズホテル京都店」になり、一層、魅力を増した。
「鮨 銀座おのでら」といえば、本格的な江戸前寿司店であることはもちろん、4年連続で初競りの一番マグロを落札するなど、目利きとしても知られる。また、本店の高級業態のほかに、「登龍門」と称して、後進を育成するシステムや、広く寿司に親しんでもらいたいと始めた回転寿司など多様な展開。また米国、中国と海外にも出店してきた経験の豊かさも信頼感の高さにつながっている。そんな実績を買われ、「鮨 銀座おのでら」に声がかかったという経緯だ。フォーシーズンズホテル京都は海外旅行客にも人気だが、紅葉時期はさらに海外からのゲストが増える。当然、握り手にも英語力が求められる。今回料理長に就任した久保卓弥氏は、今はなきNY店のミシュランの星・5年連続獲得を着任後も守り通した経験を持つ。そうしたことを聞けば、いやがうえにも期待が高まるではないか。また、「鮨 銀座おのでら フォーシーズンズホテル京都店」の利用は宿泊客も多く、そのラグジュアリー感は推して知るべしである。