中禅寺湖で四季の恵みを感じる

中禅寺湖のほとりにたたずむ「ザ・リッツ・カールトン日光」の洋食レストラン「レークハウス」のメニューが、小林寛司シェフ監修によって一新された。四季折々の自然の恵みを存分に生かした、季節ごとに変わるコース料理をぜひ堪能してほしい。

Text Hiroko Komatsu

中禅寺湖のほとりにたたずむ「ザ・リッツ・カールトン日光」の洋食レストラン「レークハウス」のメニューが、小林寛司シェフ監修によって一新された。四季折々の自然の恵みを存分に生かした、季節ごとに変わるコース料理をぜひ堪能してほしい。

中禅寺湖で四季の恵みを感じる、ザ・リッツ・カールトン日光
「ザ・リッツ・カールトン日光」の洋食レストラン「レークハウス」の監修に就任した小林寛司シェフ(中央)。

浅草から電車で2時間弱、紅葉の名所として知られるいろは坂を抜け、エメラルドグリーンの水をたたえる中禅寺湖のほとりにたたずむ「ザ・リッツ・カールトン日光」。日本百名山の一つにも数えられる男体山が湖を包み込むようにそびえ立つ景観は圧巻である。この秋から、洋食レストラン「レークハウス」が、今をときめく和歌山「villa aida」の小林寛司シェフの監修でメニューが一新され、一層魅力を増した。自然豊かな土地だからこそできる、近隣の農家の野菜を存分にいただく、Farm to Diningがコンセプト。小林シェフ自身、自家農園で年間300種の野菜やハーブを育て、ガーデンガストロノミーの先駆者としてオリジナリティーのある料理を作り続けている。1日1席だけの心温まるもてなしと、天賦の才ともいえるクリエーションが評価され、ミシュラン二つ星のほか、アジアのベストレストラン50でも35位にランクインするなど、高い評価を得ている。

その小林シェフがこのたび初めて、ホテルレストランのメニューを監修するに至った。「ザ・リッツ・カールトン日光の総支配人と総料理長と出会い、その後プライベートでもザ・リッツ・カールトン日光を訪れました。近隣の農家さんなどを案内してもらい、このいい環境と食材を生かして何かできたらいいなと思ったんです。今、自分の店では一人で調理しているため、自分の持っているものを伝えるということがない。そこで、そうした“伝える”という作業のいい機会になるのではと、オファーをお受けしました」と小林シェフは言う。

栃木県は生乳の生産量が北海道に次いで日本2位、地場の固有野菜もふんだんで、四季を通じて野菜のバリエーションに事欠かないという農業王国の一面も。そんな中で小林氏がメニューを組み立てるうえで一番大切にしたことは、四季の恵みを体全体で感じ取ってもらえる料理を、ということだそう。10月から始まったこの試み、実際には春から厨房での作業を進め、満を持してお披露目とあいなったのである。

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    じゃがいも、白いんげん豆、帆立貝のスープ。
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    かぼちゃ、なめこ、しめじの一皿。
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    さつまいも、セロリ、塩レモンを使用したグラタン。
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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
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