一つのものを探求して、掘り下げていきたい
トスカーナ州の郷土料理であるトリッパの白ワイン煮込みを、ギアラや小腸を加えてアレンジした「トリッパ、ギアラ、小腸の煮込み」。
通常はトリッパを何度もゆでこぼしてから煮込むが、「ボッテガ」では新鮮な食材を使っているため、内臓はゆでこぼさず、ゆで汁を出汁としてそのまま使う。
そして、ふたを開けたままオーブンに入れ、熱で浮いてきた脂はアクとして取るのではなく、焼きながら煮込む。食材の旨みをすべて閉じ込めた「100%内臓です」と、笹川尚平氏は破顔する。
「夏は白ワインを増やしてさっぱり仕上げるなど、食材と季節に応じて日々調整します。そうすることで、常においしいと言ってもらえる“定番”にしています」
中国料理から転身し、25歳でイタリアへ。1年かけてピエモンテからカンパーニャ、トスカーナをめぐって修業した
「中国料理をしていた時から郷土料理を深掘りしたいという思いが強く、イタリアでも各地の文化を反映させた郷土料理に引かれました。煮込み料理もその一つですね」